No.17 関連

私は興味本位で、「暴力」と調べました。

画面には当然ながら、暴力に関する痛々しい画像や不快な動画が数多くヒットしました。

私はとても悲しくなり、電源を切りました。


次の日、私は昨日の不快感の余韻を払拭しようと、「かわいい」と調べました。

画面には、かわいらしい小物や流行で溢れていました。

私は心地よい気分の中、頭の中には昨日の不快感は微塵も残ってなかったのです。

しかし、この機械には昨日の不快がまだ残っていたようで、画面にかわいいものが暴力でねじ伏せられる姿が映し出されたのです。

私はたまらなく不快になり悲しくなり、やりきれない思いに苛まれました。

検索すればする程に、それは続くのでした。


ふと、私はそういったものを大量に見ているうちに、それほど痛々しいものでも悲しいものでもないのではないかと思い立ち、それらの「暴力」を画面の向こう側で行われていた通りに実行してみた。

気持ちいい。不快感が快楽へと様変わりした。

この気持ちを誰かに、誰かに伝えたいと思い私はいつしかカメラを回しながら「暴力」をしてそれを画面の向こうへと飛ばすのでした。

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