名脇役(バイプレイヤー)と呼ばれたい!~物語世界に端役(モブ)として転生した僕は主人公たちを眺める以外やる事がなかった~
岸部 旭
序章
「まず初めに、声があった」
「汝、傍観者たれ」
意識を手に入れた僕の中に、ひとつの声があった。視界は全面を白で覆われ、自らの存在だけをそこに感じる。
「汝、干渉することなかれ」
再度、声が告げる。僕という存在の定義を想起しようとするが、即座にそれは無意味なことに思えた。
「ただし汝、ただ一度のみ干渉せらる」
声は告げる。この声を振り払い、ただ
僕は答えた。
「まあそうして欲しいって言うなら、やりはするけど……」
――刹那、僕の意識は闇へと落ちる。
今にして思えば、こんな安請け合いをしなければ僕はもう少し幸せな道を歩めたのかもしれない。僕の脳内で100人の僕がこの件に関する是非を議論し始めたが、その会議は0.2秒で決着した。
「「「まあいっか」」」
全会一致。討議終了。
――結局のところ、何人いようが僕は僕だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます