転生物語、開幕です!
小留 晴
第1話転生してました。
学校の帰り道だったと思う。
自転車に乗りながら大通りを通っていたら後ろから大きな音と叫んでる声が聞こえた。止まって後ろを振り迎えるとトラックが私の方に来ていた。それもタイヤが片側浮いていて曲がりながら向かってくる。
気付いたときにはトラックと衝突していて何が起こったか、頭では理解が出来ずにそのまま目の前が真っ暗になった。
―――――そんな最後の記憶と共に目が覚めたらそこは薄ピンクの部屋だった。
キョロキョロと見渡すと自分がいるベットにドアの無い出入りできる入口、横にはクマのぬいぐるみがあった。そして私は花音だ。と気づいたらリーフェント・タフネットとしての記憶も流れ込んできた。合計二人分の記憶が流れ込んできて、私はまた深い眠りについてしまった。
「...ッ............リッ......」
声が聞こえる。誰だろう。
「..........リー!.........リーファ!!」
聞き慣れた声が聞こえる。この声はおねえちゃんだ。
そう、今のリーフェント・タフネットのおねえちゃん。なにせ前世、花音の時は弟しかいなかったからおねえちゃんなんていないのだ。
「.....ッ..」
大丈夫だよ、そんな言葉を出したいのに声が出てくれない。
今の私はリーフェントの割合が多い。
花音としては前世として、そうとらえてリーフェントとして生きてる自分がいる。
声を出したい私を見ておねえちゃん、ユリーフェン・タフネットはお水を持ってきてくれた。...と言うよりもコップを持ってきて指先に丸い水の塊らしきものを浮かべてコップに入れてくれた。
そう、この世界には魔法というものがあって地球では見られないものがたくさんある。騎士や日本にはいない王様や貴族、まるで花音が好きだった小説みたいな物語。それに興奮しているもう一人の自分もいる。
――異世界転生。記憶が冷静に整理出来てこれたかもしれない。
ぐるぐる考え事をしながらお水をたどたどしく飲んでるとおねえちゃんがメイドさんとお母さんを呼んできてくれた。
「リーファ、もう大丈夫なの?お熱は?まだ気持ち悪い?」
美人な自慢のお母さん。3歳の私は子供口調でしか答えられない。
「だいじょうぶー!いまはなんともないのー!」
ほんとは頭が痛いし吐き気がするけどみんなに心配はかけたくなくて嘘をつく。前世で鍛えられた根性で一週間続いた風邪?らしき症状は収まったのだった。
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