白光の闇使い
竜風 真
銀海篇
第1話 黒い太陽
─僕は自分がわからない─
とある街に一人の少年がいた。
普通に高校に通い、何事もなく過ごしているのであった。
だが、彼は疑問を抱いていたのだ。
「僕は何がしたいのだろう……」
──彼は──
──無欲であった──
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六時間目、いつものつまらない一日が終わりそうだ。
「えー皆さんご存知の通り、この国ではまぁ、今戦争が起きてるわけですが。今私達がいるこの地域、もちろんわかると思いますが
こういう時に限って、時間というものは長く感じる。
「では、今
「はい、
「そのとおりですね、あと中立関係にある地域として、
キーンコーンカーンコーン
いつも通りのチャイムで、いつも通り授業が終わる。そんな日常。
特に友達のいなかった僕は、いつも通り一人で帰る。
今日は好きな漫画「神と僕」の第7巻の発売日であるため、本屋に寄りながら帰ろうとした。
カランカラン
街の隅にある書店だ。家と学校から少し離れてはいるが、行きつけの店である。
ゴーーーーーーーーーー
本を買い終え、帰る途中。いつも通る発電所の横道。うるさい機械音も、なれたら心地がいい。なんの発電所かは知られていないが、きっと街の役に立っているのだろう。
平和だ、戦争なんて起きてないんじゃないか。そう思っていた。
ヒュゥーーーーーーー
「ぐうっ……」
上空からとてつもない、ジェット機が飛ぶ、いや落ちてくるくらいの音がした。咄嗟に耳を塞ぎ、上を──
ドォオオーーーーン
向く前にそれは落ちてきた。
隣にあった壁が爆風で壊れ、そこから自分めがけて爆風が襲ってくる。
なにが起きてるかわからずまま、必死に飛ばされないように堪えた。
──気がついたらどこかに落ちていた。
上を見たらそこにはいつも通る道が。
地下に来てしまったようだ。
戻ろうとも考えたが、瓦礫は登れそうにない。
携帯電話で助けを呼ぼうとも考えたが、バッグがどこかに行ってしまった。手元にあったのは、「神と僕」の7巻だけだった。
とりあえずそれはポケットにしまい、仕方なく地下を進む。
「……らしいぞ、今回の任務」
人の声がした。話かけようと考える前に、体は隠れていた。
「そうなのか?」
「ああ、人の脳を取り出して、刺激を与える事で、闇を生み出してるっていう噂だ」
「まじかよ……早くここを潰さないとな」
「そうだな」
胸には、楕円を斜めに切り、片方が銀色の紋章があった。
銀海……
その者たちとは別の方向へ進んだ。
行き止まりに到着、指紋認証ドアがあったので適当に指をかざしてみた。
ピッー ガシュゥゥー
開いた。
何故開いたかはわからないが、とりあえず進んでみる。
──唖然とした。
そこにはこれが人の世界とは思えないほどのものが並んでいた。
カプセルを見ると、説明のしようがないうねうねと動く謎の生物が入っている。その隣は、変な形の武器のようなものが並んでいる。そしてその奥には──
──人の脳と思われるものがあった。
立ち尽くした。呆然としていたが、ふと何かを思おうとすると、ものすごい頭痛が走る。
ドガァァア──
突然壁が破壊され、奥の方に飛ばされた。
「ここかな……例の研究施設は」
破壊された壁から、同年代くらいの女の子が出てくる。
しかしその手には、つかの両側に
「そこいるのは誰?」
こちらに気付いた。
目の前にあった棒を掴み、立ち上がった。
棒を取ろうとしたら、棒が抜けた。
棒を構えた。
「──僕は──」
煙が風に流され、その姿が見える。
「──
持っていた棒が機械音を立てる
シュゥーーーー
「適正確認、闇適正有。
「なに……あれ……」
──彼の持つ剣には、白き刃が生え、白く燃え上がっていた。
──太陽が黒く輝いて見えた。
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