第14話 対策本部⑥→脱出成功
救助活動は変わらず1艦(2艦とも言えるが)で行われていた。既に300程の艦を救助しており、手際もよくなってきた頃。
これは何度目かの救助の一幕。
救助隊は状況を確かめるために適当な艦に連絡をとった。
〈ほら、ほら見ろ!来たぞ!救助!〉
〈タイミング悪すぎるだろ・・・〉
片や喜び、もう片方は少なくとも喜びではない声で、連絡に元気に答えた。恐らくこちらの話をほとんど聞いていない。
「あの・・・これから脱出の手順を説明するので準備をお願いします」
〈ほれほれーもっとおれを称えても良いんだぞ?〉
〈・・・遠慮させてもらう〉
なんだか色々話しているのが聞こえてくる。
「それではこれから座標を送りますのでそちらの方へワープをお願いします・・・」
〈座標確認しました ・・・座標送った〉
〈おけおけりょーかい んじゃ行きます〉
急に真面目な口調に(片方は真面目さがまだ足りないような気がしたが)なり、隊員も少し心を引き締めた。
〈うおー!すげー!まじで戻ってきた!〉
〈戻ってこれた・・・のか・・・〉
テンションが上がっている方と、戻ってきて心底ホッとしたような声を出す方とがいた。
「それでは基地へ戻ってください 許可が出るまでワープはしないようにお願いします」
「しゃー!出てきたぜ!助かった!」
「なんつーか・・・信じられねえ気分だ」
「んじゃ基地に戻るか!」
「ああ、そうだな ・・・・・・そういえば、ベル博士たちも来るよな?」
「あーそうだ!あの人達!ようやくこの目で見れるわけか!」
「だな ちょっと待ってみるか」
そう言うと二人は通信を常に確認しながら宇宙空間に漂っていた。
「来た!通信繋ぐぞ!」
〈これはどうもお二人 待っていただいたようで〉
「よかった!そっちも無事みたいで」
〈無事もなにも、今朝やりとりしたじゃないですか〉
確かに、定時連絡として9時くらいに連絡を取り合っていた。
「それでは、まずは基地にもどりましょう そちらで直接お会いしましょう」
〈ええ、楽しみにしていますよ〉
そう言葉を交わすと二艦は加速し、飛び立った基地へと戻っていった。
他力本願脱出ゲーム、脱出成功だ。
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