ゾラム領異変ー4

トキ達がスーサ邸でラグと挨拶終えて


から冒険者ギルドへ向かっていると、


「ワン!」「キュイ!」


「お前ら…本当に来たんだな…


そりゃ登録したら来て良いと言ったがな・・・」


シルとルティが同時に現れた。


誉めてと顔に出してたので撫でてやると喜んだ。




「ルティが保護者役かな?


べラムの住民に囲まれなかったか?


お前は愛されるからな…久しぶりに囲まれただろ?」


「キュイ・・・」


「ワン!」


シルが地面に描いてくれた。


人を丸で描いてシルとルティの略絵付き。


囲まれて目がばつになっている絵だった。


・・・シルもスーサイド出身だな…


魔物が人に絵で伝えるなんてあり得ない。


伝わるなんて考えないから・・・


「シルの絵上手いわね!沢山囲まれたのが分かるわ!」


「略絵も特徴掴んでる。突っ込みできないな…」


「ガデル?無理して突っ込み入れんで良いからな?


シルもありがとな!分かりやすい絵だったよ!


一応聞くが登録は済んだんだよな?」


「キュイ!」


ルティが鳴いてからシルの首輪をトキに見せた。


そして自分と同じとルティの首も見せる。




「なら良い!今から冒険者ギルドへ


ガデルとアーニアの登録に行くから来るか?」


「ワン!」「キュイ!」


二匹が鳴くとルティはジャンプしてトキの頭に乗り、


シルは足元に近付いてくる。


「各配置に付いたな?では行くが注意事項があるからな?


1つ、冒険者に絡まれても反撃するな!


2つ、確実に絡まれるから気にするな!


3つ、絡まれたら俺が対処する!


4つ、テストに出るぞ?以上だ!」


「トキ?注意事項がおかしいぞ?


冒険者に絡まれるの確定してる言い方だし


最後の言葉は注意なのか?自然にテストが出すな!」


しれっとテストするとぶちこんだトキ。




「ガデルさん?テストって何?」


「テストってのはな?


学力や能力の状態などを試すって事だ!


アーニアは文字書けるか?」


「共有語なら書けるよ!」


「なら大丈夫だな!


学力…学んだ事を理解し応用出来るか試す為に


紙に問題が書かれてその問題を解く…


能力は実技テストだな…数値を記録する。


前回より落ちてると気分が落ち込む…


基準があって下回ると補習して


再度テストが行われる。


1人だけ残されるのは恥ずかしい…


この年で説教される…記憶してるとな…


何時やるかは分からないのが恐ろしい…


内緒で問題作ってるからな?


下手したら明日何て事もあるから気を付けろよ?」


「へぇ…トキはテストが好きなの?」


「好き ってより能力向上させるためだな!


何かの拍子に役立つかも知れないだろ?


算数とかはアーニアが今後街に暮らしてて


買い物してからお釣りを貰う時に誤魔化されない為に


文字は依頼を見るときに出来るか確認出来る。


一般常識も暮らすためには必要な事だ!


後は・・・悩む姿みて面白いかな?」


「楽しんでんのかよ!?この野郎!!


・・・だが役立つからな…


良い点数取れると仲間内で自慢できるしな…


フィルもルティ、ヴァイスは頭良いんだよ…


ブラッドと励まし合いを終わってからいつもしてる…」


トキの言葉に苛立ちが募るが


テストの重要性と仲間意識について語るガデル。




「テストは後でな!ガデル考えて見ろ!


子犬に子狐連れてる若者と細身の男性、筋肉ある女性!


明らかに絡まれるだろ?馬鹿どもにな?


アーニア?冒険者ってのはな?


実力無い奴ほど強気になるんだよ!強く見せる為に!


そして自分より下と感じて分かると絡む。


回りに強いと思わせる為にな?


仕事終えて酒飲んで気分が高揚してるから


挑発され返すと喧嘩に変わる!


俺はべラムに新しく来た冒険者には絡まれるだろうな?


お前らは新しく登録するから!


命を掛けて仕事してるから偉いとおもってんだよ?


同じ人なのにな?欲に溺れてんだよ…


人の上に立ちたい、有名に成りたい、強く見られたい!


そんな下らない欲に駈られて頭を働かさない…」




「馬鹿な冒険者の話をしようか?


冒険者は強く見られたい為に喧嘩に明け暮れる。


そいつは喧嘩が好きになってしまい


誰彼構わずに挑発する様になった。


挑発して受ければ喧嘩が出来て嬉しい。


だが無視されたり受けないと逆に怒り倒してしまう。


そんな生活していた冒険者は商売人に絡む。


無視した商売人は冒険者にボコボコにされた。


その商売人はその街の大きな商会の息子だった。


理不尽な出来事に激怒した商売人の親は


冒険者ギルドへ訴えるが冒険者の貢献度が高い為に


ギルドは下手に対処出来なかった。


親は考え実行する。そいつに何も売らせないと。


全ての商会ギルドへ連絡して了承される。


商会ギルドにとっては喧嘩売られたと同じだからな?


下に見られたと思われた。


その日から何も手に入らなくなった冒険者。


武器が折れても買えない。食べ物も買えない。


冒険者ギルドでも換金されなくなった。


商会ギルドと提携してるからな?


街に居られなくなった冒険者は違う街に行くが


同じ対応されてしまう…


何度も繰り返されて苛つき喧嘩してストレス発散する。


ある時に冒険者は知った。


以前ボコボコにした相手は商会ギルドの人間だと。


だから売り買い出来ないと理解した。


さて知った冒険者はどうしたか?


終わりが複数ある話だ!その2つを紹介しよう。


1つは商会ギルドへ謝罪して許してもらい


なんとか暮らせるようになった冒険者。


喧嘩もしなくなり肝に命じて過ごしましたとさ。


2つ目は何も売らないなら奪えば良いと考えた。


盗賊に身を落として討伐されたとさ」




「さてこの話の本質を話そうか!


我が身が可愛ければ馬鹿な事するな!


後悔後先たたずと言う言葉だな。


人の世界ならではの話だ!野生には無い話だよな。


俺達は人だからな?そんな常識を持たないといけない!


人の上にも下にも人を作らないんだよ!


王族も人、奴隷も人なんだからな?」


トキは冒険者について軽く説いた。




「という訳で奴等は無能な馬鹿なので絡みます!


そんな奴は潰して矯正させるのが一番!


そしてその楽しみを奪うなよ?」


「良いこと言ったのに最後で台無しだぞ?」


「キュゥ…」


トキの最後の言葉に肩から崩れるガデル。


アーニアは理解したのか頷いてる。


「さていつまでも居ると時間が過ぎるからな!


さっさと向かうぞ!」


トキ達は冒険者ギルドへと向かい歩いた。




そして・・・


「おい!ガキが来る場所じゃねえぞ?


散歩なら違う場所行きな!!」


「早くママの所に戻りな!


助けて~ってな!!ハハハハハ!!」


「細身の奴なんて武器持てねぇだろう?


えーん、持てないよ~ってか?ギャハハハハ!!」


「女も良い顔してんじゃねぇか?


今夜付き合えよ!楽しもうぜ!へへへへへ!」


「「「・・・」」」


案の定絡まれてしまったトキ達。


ギルドへ入ると酒飲んでた冒険者に見られて


絡まれて黙るトキ達。


内心では本当に起きたと思っている。




周りからは・・・


「おい、あれトキじゃないのか?」


「何?本当だ!ルティもいるぞ!


娘に言わないとな!帰ってきたと」


「うちの息子にもだ!


しかし奴ら知らないのか?『先生』をよ?」


「『先生』?変わった二つ名だな?」


「あの『白影』の先生だから『先生』!


よく言われてただろ?


『白影』のヴァイスもこの前凄かったしな!


急いでたのか一瞬で絡んだ大男を


地面にめり込ましたからな!


あれは驚かされたぜ!」


「トキの噂では貴族にも説教したとか…


流石先生だな!トキは!


しかし何で知らないんだ?あいつら?」


「奴らは最近来たばかりだからな・・・


ランクも上がってから酒飲んでばかり…


可哀想にな…理性と野生、


どっちで潰されるんだろうな?」


・・・変な二つ名ついてんだな…俺は・・・


・・・ルティとヴァイスも有名になったな・・・




トキは話してる内容を聞いて考えた。


どっちでいこうか悩んでるから。


口か物理か・・・ほぼ物理的解決に決まってるな。


「何黙ってんだよ!ビビってんのか?


なら女置いて帰りな!坊や!」


「言いたい事あるなら言えよ?


親切な冒険者が聞いてやるからよ!ハハハハハ!!」


「犯罪予備軍が騒ぐな!


さっさと帰れ!寝言なのかな?


寝言なら寝てから言え!


そして夢から早く覚めろ!迷惑なんだよ?」


「俺達はランクCクラン『黒狼』の一員!


ランクDパーティー『黒狼の牙』だぞ!


粋がってんじゃねえよ!糞ガキ!!」


「クラン何てあるのかよ?後であいつに聞かんとな」


「無視すんじゃねえよ!殺すぞ?」


「・・・言ったなその言葉?


殺られる覚悟あるんだな?子犬ども?」


「ああ!?表出ろや!!躾をしてやるよ!!」


「という訳で行ってくるからな?


アーニアはあれと同じ事をペットにしてたんだからな?」


「人の振り見て我が振り直せ…だよね?」


「そう言うことだ!ガデル?登録しててくれ!」


「分かった…本当に起きるんだな?


無能で馬鹿な冒険者の絡みがな?」


「おい!?そこの木の枝!!お前も潰すぞ!!」


「あーハイハイ。こいつに勝ってからな?


さっさと行け!待てされてるのか?


躾られてるのはお前らだったな?」


「ガデル…お前、実は怒ってるだろ?」


「・・・正直な?


おまえが言わなかったら殺ってるぞ?」


「まあその分俺が請け負ってやるからよ!


よしえーと?4匹の子犬?外に行くぞ?


『待て』は終わりだ!『行け』!


ほらどうした?躾されてんだろ?


言うこと聞かないと駄目じゃないか!


仕方無いな…これは出来るだろ?『お手』!」


「虚仮にしやがって!!命知らずが…


お前ら見せしめだ!あいつを殺すぞ!!」


「「「応!!」」」


「ギルド内で襲うなよ…躾なってないな?


シルより出来てない…そうだよな?シル?」


「ワン!」


「くたばれぇええ!!!」


1人の冒険者がトキへと襲いかかる。


険しい顔して剣を上に構えて突進してくる。


後ろの3人も同様に武器を構えて近づく。




「ほい!」


トキは先頭の奴から順に外に蹴っていく。


トキの右側に入口がある。


入口に向けて隙だらけの左脇腹を蹴っていく。


蹴られた男は綺麗に入口へとゴールされる。


残りの3人も蹴られてハットトリックを起こした。




ここで突如ウィッキー先生コーナー!


ハットトリックとは、スポーツの試合中に


一人の選手がゴールなど勝利に繋がる


プレイを3回以上達成すること。


元来はクリケットで、1つの回の中で3球で


3人の打者をアウトにすること。


これを達成したボウラー(投手)には、


帽子ハットが贈られその名誉が


讃えられたことに因む。


現代では様々なスポーツで使われるようになった。


以上ウィッキー先生でした!




「ウグッ!?」


外に蹴られた4人は向かいの壁に激突する。


そのまま地面にうつぶせに倒れる。


「まだ生きてるかな?・・・生きてるな?


では躾を始めてやるよ!」


トキは腰のフルバルを長く変形させて


横に並んで倒れてる4人に落とす。


「「「「ガァッ!!」」」」


4人は背中に大岩が当たる様な衝撃を感じて動けない。


「さてとこれで逃げれないな?


さて遊ばせて貰おうかな?」




ガデル達が登録終えて外に出ると


トキの後ろに木逆十字に張り付けられた4人の姿。


口元も布で覆われていて髪が無くなっていた。


地面には各自の武器が刺さっており


落下すると頭に刺さる様になっている。


動いて緩めば死ぬ状態で固定された。


「・・・鬼かおまえは?」


「登録終えたみたいだな?ガデルとアーニア!


どうする?怒り発散する?」


「ウゥゥゥ!!!」


縛られた4人は恐怖に唸っている。


「やっていいの!」


「やるなよ?アーニア!あれは警備隊に任せる!


じゃないと登録した意味ないぞ?」


「そうなの?残念だよ…」


「残念がるなよ…


またヴァイスと常識を教えないといけないかな…」


「なんだ?しないのか?なら放置して


ハリーに会いにいくぞ!」


「トキ?ハリーって誰だ?」


「ここの冒険者ギルドのギルド長!」


「ギルド長呼び捨てかよ?


まあ良いけどな?お前だしな!」


「ルティとシルはこいつら見張っててくれ!


警備隊が来たら渡して待っててくれ!」


「キュイ!」「ワン!」


2人は敬礼したのでそのまま任した。


・・・シルも覚えたのか・・・




トキはハリーギルド長にクランの事を聞いた。


クランは30人以上が組むパーティーらしい。


最近出来始めた形式。1ヶ月前に出来た。


トキ達がスーサイドにいる時に発足した。


現在は5つのクランがあるらしい。


その話を聞いて納得して


入口に張り付けしてる奴らの説明して


ゾラム侯爵の依頼を受注して完了する。


ついでにトキのランクはAへと昇格した。


ヴァイスもランクAとなり、


ガデル達はランクBからの始まりと成った。


トキ達は入口の奴らの事を任せて


シルとルティと共にべラム入口へと向かった。

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