第59話ゾラム領の内乱ー13

街ニバルの近くにある広い森の中。


1万の軍勢が隠れてる。


本来ならその数の多さに気付かれて鎮圧されるが


ニバルに訪れる通商は反乱軍に与する者達。


警備隊の見張りも同じ立場の為報告はされない。




ニバルの街に冒険者は居るがラレギルド長の


息が掛かっているため反乱軍の一部となっている。


ほとんどが欲に溺れてる。怯えを持ちながら。


反乱成功した後の莫大な褒美に目を眩ましてる。


ニバルの冒険者には既に特別依頼として


1週間前に連絡をしていた。


全員が集まりラレギルド長からギルド員に囲まれて


連絡を受けている。ランクG~Cまでいる。




依頼内容は反乱軍に与してニバルを襲う。


成功した暁には世代を越える金貨袋に


名声、昇格、爵位等の許す限り褒美を与える。


固唾を飲む冒険者達。普段とは比較出来ない


待遇が報酬として掲示されている。


頭に果てしない欲が溢れてくる。


全員が妄想しだらけた顔でにやけてる。




最後にこれは秘密だからとコンビを組ませて


冒険者通しを監視させ依頼が漏れるまたは


阻止する考えを持てば密告させ報酬を与える。


嘘つきや密告された者は相当な罰を与えると告げる。


他の冒険者も同様監視してもらうと明言した。


そして住民の観察もしてもらうと告げた。


アメと鞭を使い恐怖政治を敷くラレギルド長。




依頼を聞き勇気ある冒険者5人は立ち向かうが


囲まれてるギルド員から止められ


ラレギルド長の言葉に操られた冒険者達に倒される。




『この者達は1人締めするつもりだぞ?


私は強いと認めさせ成り上がるつもりだ!


反乱軍の幹部としてな?報酬も俺達の物だとな?


どうする?私が死ねば依頼は消える


そして報酬も無くなりギルドから無視される!


つまり仕事が無くなるんだよ!


他の街に行ったとしても私の権力で同じ目に合う。


その前に依頼を知ったお前らが生きる為に行動し


あの冒険者の様に勇気出したとしても反乱軍に


襲われて死ぬだけだ!なら・・・どうする?


素直に依頼を受けて生きた方が賢明だろ?


なら依頼通り行動してもらおう!


そうすれば報酬だけじゃなく名声、昇格も貰い、


後ろ指指されない生活!使いきれない報酬で


生活が潤い何でも出来る!全て許される!


監視してギルドに密告するだけでも貢献度が上がる!


私への貢献度が上がれば上がる程報酬は高くなる!


さて最初の仕事だ!目の前に監視対象が阻止を試みてる


なら?報酬を上げる為に何したら良い?


さぁ!早い者勝ちだ!数に限りがある!


私が見てるから確実に上がるぞ?さあ行動開始だ!』




話を聞いて我先にと武器を構えて倒していく。


その目には報酬の2文字が浮かんでいた。


行った者に最初の褒美として完全に倒した5人に


金貨20枚を与えた。これだけでも破格の報酬だ。


これを見て俺もやると奮起してラレギルド長に従う。


こうしてニバルの冒険者は互いに監視していく。


期限付きの破格の報酬。既に何人かは褒美を貰ってる。


こうしてニバルの冒険者ギルドは一つとなり


総勢300人の軍が出来ていた。




警備隊も同じ方法で互いを見張り褒美を受ける。


ゾラム侯爵の直轄部隊には話さないと告げている。


警備隊総勢500人が反乱軍に与する。


警備隊は冒険者の監視もしてる為褒美が高い。


こうしてニバルには通商、一部の住民合わせて


千人の軍が出来ている。


ニバルの軍の隊長はラキュ、副隊長にラレ、


参謀にニル補佐官がいる。


直轄軍にも500の反乱分子を作り上げた。


ラキュ軍の見張りが反乱軍の半分を招き入れ


ダスティの宣言で一斉に動き出す。


目指すはゾラム侯爵の家族の首。


ニバルでの反乱人数1500。そして1万人の反乱軍。


街には6万の人が生活している。


反乱としては少なく見えるが戦闘経験者ばかり。


まともに立ち向かう事は出来ないだろう。


こうして着々と準備してダスティの宣言を待っている。




ニバルの近くにある森の中・・・


「おい!全員準備出来てんだろうな?


今からニバルの作戦だぞ?理解してるか?」


「はい!ダスティ様!この場にいる全員、


士気を高め戦いに備えています!」




「なら問題無い!ニクルはこの場にいないが


ちゃんと仕事してるんだろう!


昨日の午前に偵察部隊との情報交換と作戦を伝えてる!


俺達の成功確率上げる為に各村で大規模の襲撃をする。


さて俺達は1万の軍勢!この場に居るのは


俺と参謀に10人の千人長!つまり12の同士だ!


前もって教えているコードネームは覚えてるな?


Aから順にアッシュ、バドル、チャールズ、ダスティ、


エルド、フライ、ゴルサ、フェン、イド、ジャンク、


キール、レベラ!俺ニバルの反乱軍隊長のダスティ!


参謀のアッシュ!他にニバルの暗躍部隊にラキュ、


ニル、ラレがいる。皆、把握しているな?」


「「「「「「「「「「「応!」」」」」」」」」」」




「では最後の作戦確認だ!


A~Eまではニバルに侵攻する!


ラキュの見張りがいるからすんなりと入れる!


俺の宣言で一斉に暴れろ!ニルとラレも一緒だ!


そしてゾラム侯爵の首を家族を狙え!


子供の冒険者いるらしいが所詮子供だ!


従魔してる魔物も数には勝てない!殺せ!」


「「「「「了解だ!!」」」」」




「そしてF~Lまでは外での見張り兼足止めだ!


警備隊のラキュと共にな?


後、村を救ってる奴等がいるらしい。


必ずこの街に来るはずだ!侵攻終えるまでに葬れ!


ゾラム侯爵の首取り終えたら合図出すから


全員入ってこい!キールの盗賊達も一緒にな?


そして略奪の開始だ!楽しもうではないか!」


「「「「「応よ!!」」」」」




「さぁ!時間は昼飯に起きる!皆が油断している!


12時と共に俺が先に入り大軍の居る広場で宣言する!


『ゾラム侯爵の首を取りに来た!


無駄な抵抗せずに差し出せ!10秒だ!


その時間が経てば侵攻開始だ!!』とな?


確実に無理な要求だ!10秒で現れる距離じゃない!


そして侵攻開始だ!理解したな?では始めよう!!」


ダスティは時計を見て始まりを告げる。


現在11時55分。森から出て門には12時になる。


こうして反乱軍は森から出てきた。1万の軍勢で。






「こうして見るとホウリョの数の部屋より多いな?


俺達は途中参加だったけど・・・


弱いのに数多くてストレス溜まり不機嫌になったな…」


「あの時はまだ良かったじゃないですか?


前哨戦に職人ゴブリン達!ブラッドとのメインが


あってとても楽しそうでしたよ?主殿は!」


「ブモオォ!」


「ブラッドもお陰でトキ様に会えて良かったと


言ってますね!」


「なんか大軍と戦う雰囲気ではないな?


職人ゴブリンは気になるから教えろよ?」


「ああ良いぞ!倒したのを悔やんだくらいの技術で


森の手入れしててな!あれは芸術だったな・・・


そうだ!これが職人の手による風景な!」


トキは大軍を前にガデルへホウリョで撮った


風景を写した紙をストレージから取り出し見せる。


枯山水の地面に融合するように伐採され


手入れされた木々の風景。日本庭園を思わせる風景。




「これは・・・本当に魔物が手入れした森なのか!?


人間でも出来ないぞ?なんて芸術性を持つ魔物だ…


優雅に落ち着き魅せていて迫力ある風景・・・


職人ゴブリンは何故倒したんだ?


これは悔やむのも納得だ!」


「あぁ…この貴重な芸術を分かってくれたか!


魔物はホウリョの隠し部屋にいてな…


辛い過去持つゴブリン達だった…


咄嗟に互いが戦闘に入ってな…強かったよ・・・


そして入口と違う扉開くとその風景だ…


悲しみ悔やんだ…我を忘れる程の綺麗な風景に…


その後俺達は敬意を持って職人と付けている…


フィルのマルチリンガルで翻訳で知る過去も


壮絶な過去でな…砦の迷宮出現理由も知った…


あれは俺達だけにしか知ってはいけない秘密だ!


迂闊に話すと迷宮について悩みが出現する!


死ぬまで俺達は心に留めると職人に約束したんだ!」


トキはホウリョでの話をガデルにした。


決して人間では知り得ない過去。


それの伝道師であり職人のゴブリン達。


トキは戦う前だがゴブリン達に黙祷した。




「・・・戦う前に聞く内容じゃないな…


魔物にも魔物の生き方がある…人と同じだ…


すまなかったな…士気を下げてしまった…


だが切り替えていこう!


目の前にいる反乱軍を見ろ!ニバルに侵攻する!


それは単なる侵攻ではない!略奪も行う!


盗賊がいるから余計に最悪な未来を作る!


それは絶対に阻止する!しないといけないんだ!!


見ろよトキ!ニバルに入った!侵攻が始まったんだ!」


ガデルは黙祷するトキを見て感傷に浸るが


反乱軍がニバルに入るのを見せて決意を固めさせる。




「そうだな・・・阻止しないとな!


ありがとなガデル!弱い刃では阻止出来ない!


さあ!気持ちを切り替えていこう!


あの醜悪な盗賊の略奪や行為を見るのは一度で充分だ!


気持ちを上げていこう!


ヴァイスに見せれないぐらいの大人でも


見せるの制限する程の行為の数々だ!


さてと・・・ガデル?フィル?ブラッド?準備は良いか?


狩りの始まりだ!邪魔者は消していこう!」


「応!」「はい!主殿!」「ブモオォ!!」


トキは気持ちを切り替えて仲間に準備を聞く。


全員が答えたの聞き、頷き走り出した。


目の前にある獲物を狩りに駆け抜ける。


トキはギミック籠手のみで青い外套を纏う、


ガデルは改めた直した短刀を持ち、


フィルは空へ飛び、ブラッドは金属バットを持ち向かう。




ニバルでも戦闘体制に入る。


広場に向かう大軍が目に入ってきた。


ニバルにいる住民には話をしている。


反乱軍が今日攻めてくるが安心してくれ!


侵攻の合図が起きたら家に戻り外に出ない様にと。


暗躍部隊関係者には聞こえないようにしてある。


暗殺者からの情報を得てヴァイス達は先回りしていた。


ニル補佐官にはこの事を知らせてない。敵だから。


ヴァイス達とアイサ姉様は広場に隠れている。


ゾラム侯爵も広場にいる。


ニル補佐官は散歩だと聞いて家にいる。


こちらとしても好都合だと考えての結果だ。




「そういえばヴァイス?何で先に潰さなかったの?


そっちの方が被害出なくて済んだのでは?」


「私も同じ意見だな!何故しなかったのだ?」


「姉様?ラベル様?


姉様達は被害者ですが僕達はまだ違います!


先生達を待ってたのもありますが…


侵攻してきたら正当防衛なので戦います!


ラベル様は完全に侵攻してきたらラグ共に


撤退して軍の指揮して防衛を行ってください!


ラグを護衛に就けますから安全ですよ?


僕達も暴れます!知らない間に有名になってて


先生より先に二つ名が就いていて怒ってます!


普通は先生が先でしょうに!ね?ルティ?」


「キュイ!!」ルティは同意見らしい。




「なので…尋問での鬱憤や有名についての憂さ晴らしを


反乱軍に受けて貰います!後悔させてあげますよ?」


「ヴァイス君…君変わったね?半年間で白髪になってて


ここまで自分の気持ちに正直になるとは・・・


あの時の雰囲気とは確実に違うよ?」


「ラベル様…私もこんなヴァイス見たことありませんわ…


あの健気で優しかったヴァイスが怒ってるのは


私でも初めて見ますわ…こんなに雰囲気出して…


それほど有名に成った事と尋問が嫌だったのでしょうね…


先生についても尊敬していてどんな教えを受けたの?」




ヴァイスの見たことない姿と雰囲気に圧倒される。


アイサとゾラム侯爵は先生とは何者なのか?


ここまで変わる教えをしたのか?が気になった。


ヴァイスは2人の話は既に聞いてなく戦闘準備に入る。


ラグはゾラム侯爵の後ろに、


ルティはヴァイスの頭にいる。




広場に大群の波から1人の男が現れる。


屈強な体で金属鎧を纏っており鈍い銀色をしている。


話す為にフルフェイスの兜を脱ぎ


茶髪の髭を蓄えた精悍な顔つきを見せた。


周囲に聞こえる様に大声で喋りだす。




「俺達は反乱軍だ!ゾラム侯爵の首を取りに来た!


無駄な抵抗せずに差し出せ!10秒だ!


10秒の間に出てこい!ゾラム侯爵よ!


その時間過ぎても出て来なければ侵攻開始だ!!」


反乱軍は笑顔で侵攻を待っている。


出て来る訳がない。そう思っていたが…




「私に何か用かな?反乱軍よ?」


広場にゾラム侯爵が現れた。


驚く反乱軍だが侵攻するには変わりない。


「これはゾラム侯爵!まさか出て来るとは!


では民の為に首を出して貰えますか?


そうすれば無駄な殺しはしませんよ?」


広場にいた男がゾラム侯爵に話し掛ける。




「馬鹿な事を…私が首を出した処で変わらずに


侵攻して略奪するのだろう?我が領地の村の様に!


なら反抗するしか無いだろうが!この馬鹿者があ!!」


ゾラム侯爵は抵抗を宣言し罵倒した。


怒りに声に出したゾラム侯爵を見てニヤリと笑い


「そうですか・・・仕方ないですね!


では始めようか!侵攻と略奪をな!!


侵攻開始だ!!」


「ウオオォォォォォ!!!」




反乱軍は雄叫びを上げて侵攻を始めた。


ゾラム侯爵はラグと共に下がって


防衛軍の本拠地に向かう。


どこからか冒険者とギルド員、直轄軍の反乱分子、


通商と住民が武器を持ち現れた。




ヴァイスはアイサとルティと共に残って戦う。


ヴァイスは剣を構えて、ルティは変わらず頭に、


アイサは左手に短剣を横に構えて右手に拳を作る。


腰には剣、短剣が複数帯びている。


両腕には鎧籠手着けている・・・?




「・・・姉様は何故いるのですか?」


「街を護る為よ?後、祭りは楽しまないとかな?」


「・・・ルティ?後半おかしくなかった?


なんか先生が隣にいる様に感じるんだけど・・・」


「キュゥ…」


ヴァイスは居ないはずの先生をアイサ姉様から感じた。


ルティもヴァイスの頭の上で困惑していた。


「細かい事は気にしないの!男の子でしょ?


ほら踊りに来てくれたわよ?」


「姉様・・・だからその理屈おかしいですって!


後先生だよね?女装してないよね?幻覚じゃない?」


「キュゥ・・・」


完全に先生の姿を見たヴァイスとルティは


アイサと共に反乱軍へと対峙する。




街ニバルにて1万1500の軍勢対4千跳んで7人の


戦いが始まった・・・

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