第6話スーサイドー6
ストレージ内に埋蔵していた卵が見つかる。
異世界に来るときに貰った
寂しく無いように坂口先生から貰った
ランダムペットの卵。
何が出るか分からない。
だってランダムだもの・・・。
孵化するためにはストレージから取り出し
自分の血を一滴垂らす。
そして暫くの間安全な場所で置いておく事。
そんな説明を受けていたが
すっかり忘れていた。
忘れてた理由?
異世界最初から大空落下なら記憶から
飛んでいても仕方がないだろう!
空だけに・・・。
思った以上に自分でもつまらない。
気持ちを切り替えて卵に血を垂らす。
そしてログハウスに置いて孵化を待つ。
ランダムペットの卵は生まれる種類の
幅が広いらしい。
図鑑によると犬や狐などの哺乳類から
鳥類、蛇、蜥蜴などの爬虫類。
竜やグリフォンなどの幻獣類がある。
しかも属性持ちで個体によって
進化するらしい。
図鑑って名の説明書だよな、これ・・・。
何故今更ストレージの分別したかというと
半年経った時に読む様にと
書かれていた手紙を
読んで行う事にしたからだ。
手紙の内容は
『トキ君、なんとか生きてますか?
半年過ぎて色々思う事が有るでしょう。
その為に先ずはストレージを
分別してください。
生活していく中で保管した物が多いと
何が入っているか分からなくなります。
必要な物、不必要な物いわゆるゴミ。
断捨離は必要な事です。
図鑑を見ればある程度
分別出来ると思います。
なので確りと行う事、そして
後半年頑張って生き残って下さい!
応援してます。』
先生はお母さんですか?
思う事の為に断捨離って・・・
手紙を見てストレージの確認してゴミは
焼却処分して肥料にし畑に撒いた。
この森の魔物は栄養分が高いらしい。
皮や内臓は役に経つ。
森で採取した果物や食用植物は自前の
畑に植えている。
ついでに今まで名もない墓達だった場所は
今や畑に変わっている。
死者への冒涜と思われるかも知れないが
今の生活を行うには必要な事だ。
畑にはトマトやダイコン、キュウリ、
じゃがいも、ニンジン、みかん、きのこ。
ダイコン、ニンジン、キュウリは
普通の野菜達ではない。
足が早い。腐りやすいではなく
単純に足が生えていてよく逃げ回る。
流石、異世界と言ったところか…
逃げられないように柵を作っているが
凄いものはジャンプして逃げる。
念の為、柵の外に2mの堀を作り
水を張っているが
ばた足で泳いで逃げ切ったところで
呆気なく魔物に食われる。
食われた時のあの何も言えない感じ。
作業中に何度も見てしまったが
何とも慣れないし、もやっとする。
じゃがいも、みかんは普通だ。
きのこは常に笑っている。
模様ではなく顔が生えてよく笑う。
最初は気持ち悪かったが
慣れるものだな・・・
最近の日課として畑仕事、魔物狩り、
釣り、木の小物作り、魔法の練習、
たまに人助けや介錯をして過ごしている。
もう元の学生生活に戻れないな・・・
数日経つと卵に罅が入る。
そろそろ孵るようだ。
机の上に置いてドキドキしながら見守ると
卵が左右に揺れて
卵の蓋を被るように生物が産まれた。
「キュウゥゥゥ?」
可愛らしい狐だ。
赤と黄色のマーブル模様で
二股の尾を持つ狐。
狐って卵から産まれるのか?
疑問に思いながら小さい狐を見守る。
すると狐は俺の頭にジャンプして
座り込む。
「キュウゥゥゥン」
頭に乗った狐は嬉しそうに鳴く。
可愛らしいな!
ふと孵った卵を見ると底に何かが見える。
狐を落とさない様に底の何かを取ると
折り畳まれた紙があった。
表には
『種族:マーブルテイル
属性:色によって異なるが
赤:火、青:水、黄:土、緑:風、白:光、黒:闇
と属性を持つ
進化個体で進化すると
属性が増える可能性あり。
また紙を広げると・・・』
卵の中に説明書かよ・・・
とりあえず広げてみると・・・
『当たり!!もう一個』
・・・当たりくじかよ・・・
割れた卵が復元し目の前に再度現れた。
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