第4話スーサイドー4
飛ばされた場所は
エクサクロスの森の中・・・
では無く、その上の太陽がのぼる大空。
目下には生い茂る木々が成っている。
どんだけ落ちたか分からない程の落下距離。
あっ今雲を抜けたなぁ…
最初は訳も分からずに
「えぇ?嘘だあぁぁぁぁあぁぁ」
絶叫していたが未だに
地面にぶつからない程に
高い高い距離から落とされた為か
落下するにつれ何故か
心構えが出来てしまった。
(もういいや…)と。
スカイダイビングってこんな感じ
なんだなって思ってしまっている。
パラシュートなんてないのだけれど…
そう思っている間に風の魔法使えば
なんとか成るのではと思い、
上昇する風をイメージして体に纏わせる。
最初は苦戦したが徐々に慣れて
ゆっくりと落下していく。
ついでに空も飛べる様に成ってしまった。
「あの先生は生徒を殺すつもりか?」
獅子は我が子を千尋の谷に落とすと云うが
この試練は強烈過ぎはしないか?
幾ら勉強しても実践にはかなわない。
その思いでかわいい生徒を落としたのなら
はっきり言って嫌われてるのではないかと
疑ってしまう。
俺は自分でも嫌われない様な態度を
いつもとっており嫌われる様な事は
したことがない。
だからと言って好かれる様な態度も
とってない。
いわゆる普通の生徒だった筈だ。
そんな事考えてたら森が間近に
迫っているので
魔法を操りゆっくりと
落下地点を決めていく。
上空から見渡すと大きな川を発見し
そこに降りる事にした。
降りてみると木の一本一本が
10m以上、太さもあり約2m以上の物があり
高層ビルの様に見える。
ログハウスを建てる為に周囲の木を
魔法の練習で倒す事にした。
森林破壊だが生活するためには
仕方がない。
日本には森林保護法なんてものがあるが
ここは日本ではなくエクサクロスだ。
間伐なんてしてない様な場所だった為
気にせずに行った。
流石に伐採に火は使わない。
延焼して焼け死ぬまたは一酸化炭素中毒で
死ぬなんてまっぴらごめんだ。
そこまで馬鹿ではない。
かまいたちの様な風魔法と
川からの水と地面の砂利を使い
ウォーターカッターを練習した。
現在、水に研磨剤を加えて切削加工するのは
地球では行われている加工の一つだ。
その応用で高射出した砂利入り水で
木を伐採する。
途中で伐採する音に反応してか
魔物が出てくるが一緒に倒す事にした。
内心魔物の威嚇や素早さ、突進力に
恐怖していたがなんとかなった。
倒した魔物は猪や狼に似ている。
名前が有るらしいが今は気にしない。
食べれる物は食べ、物々交換出来る物は
保管したい。
ある程度拓けたのでログハウスを
解放した。
最初はオモチャの様な高さ20cm、
横30cm、奥行き25cmぐらいの家が
三角屋根でベランダ・2階バルコニー付き
高さ40m、幅60m、奥行き50mの
2階建てのログハウスが建った。
まさか200倍になり2階建てとは
思いもよらず驚愕した。
1階にはリビングに風呂とキッチン、
2階には個室が4部屋ある。
改造したら店が開けそうだなあ…
ふと思いミニチュアに戻し屋根を触ると
ミニチュアの状態で屋根の取り外しが可能で
自由に家具移動が可能になっている。
気になった事が判明した為、
元のログハウスに戻し
外で図鑑を見ながら魔物の解体を行う。
解体様のナイフが無いためログハウスの中を
探索すると包丁等見つけた。
解体を再開する。
血抜きは既に終わらしている。
初めての解体で血の匂い等で吐きそうに
なりながらも完遂した。
体内から魔石が取れた為保管する。
内臓は地面に穴を掘り焼いて埋めた。
立派な栄養分となるだろう。
そうしていると夕暮れになり
解体した魔物をストレージに入れて
今日食べる分だけ用意した。
調味料が無いためそのまま焼いて食べる。
美味いかどうかは好みがあり
俺は早く調味料が欲しいと感じた。
夜になり寝ている時に家が壊されるのが
嫌な為
ログハウスの周囲に小型の台風を設置し
凄い風音の中寝ることにした。
これが最初の1日であり、
あと1年間森の中で過ごす事となる。
なにもなければいいのだが…
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