昼にさまよう夜の亡霊

西崎 愁

ほら、巡るこの場所で

たった1つつかみたい物

手をかざしたその先に

隙間すきまからこぼれるひかり


まだ眠る小さな希望は

凍えるような雪の中で

強い芯をつくっている


つまずき転んで傷つくほど

もういいやと走り方を

忘れそうになるけれど

どれほどあこがれているか


時を超えても忘れない

掴みたい大きな欲望の

願いのような輝く未来



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