生と死は紙一重

雪火

プロローグ

2015年の厚労省の調査では

子どもの貧困率は13.9%と7人に1人が貧困らしい

因みに「国民生活基礎調査」として公表されている日本の貧困率の最新値は15.6%だ



多分俺もその中の一人に入る




「真澄へ、おはよう。体調は大丈夫か?朝からバイト入れちまってごめんな。斗哉の送りだけ頼みます。朝食は温めてから食べてください。今日も一日頑張れよ! 兄ちゃんより」



馬鹿な親元に産まれた可愛い弟と妹のため

俺は今日も金を稼ぐ



「空輝くん!そろそろ学校でしょー!」


本音を言えば学校に行く時間なんてない

妹と弟にはできるだけいい暮らしをしてほしい

友達と遊んで、学校で勉強をして

俺にはできないことを心から楽しんで欲しい

なんて兄ちゃんの勝手な願い事だけど


ババアが出ていってもう2年

借金返済も少しずつだが進んでいる

今のバイト先の店長は人が良いし周りも優しい人ばかりだ

だから仕方なく学校に行っているだけ

あの人たちが俺の背中を押すから、仕方なく



「おい倉敷!遅刻だぞ」


耳障りな教師の声に舌打ちをする

事情も知らねぇで不良呼ばわりとはいいご身分だなここの奴らも

見た目で人を決めつけんなって教わらなかったか?なんて言葉を飲み込む

誰かに何かを言ったって今の現状が変わる訳でもない。

早くバイトに戻りてえ

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