私、シュワワちゃん
ツヨシ
第1話
俺が通う大学で、何の前触れもなくシュワワちゃんという得体の知れない女の子の噂が、あっという間に広まった。
なんでもある日突然に、シュワワちゃんという女の子から電話がかかってきて、「私、シュワワちゃん。今、○○にいるの」と言うそうだ。
そして電話がかかってくる度に、今、○○にいるの、の○○が、だんだん自分のいるところに近づいてくるのだという。
そして最後に「私、シュワワちゃん。今、あなたの後ろにいるの」と言うそうなのだが。
「で?」
俺は津村に聞いた。
「で?」
「で? じゃないだろう。今、あなたの後ろにいるの。それからどうなるんだよ」
「そりゃあ、シュワワちゃんに殺されるんじゃないのか」
「ちょっと待て。そいつがシュワワちゃんに殺されたんなら、なんでそいつのところにシュワワちゃんから電話があったってことを、他のやつが知ってるんだ?」
「そんなの、俺に言われても……」
「だいたいその話、メリーさんそのままじゃないか」
「それはそうだけど」
「おまけにシュワワちゃんなんて、おかしな名前だよな。シュワちゃんなら知ってるけど」
「……」
俺はアホらしくなって、津村をそのままにして下宿に帰った。
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