ダンジョンに行こう!

るーいん

踊れ冒険者たち

はじまり

 大冒険時代。あるいは魔王と勇者の時代。


 かつて、通称『闇の一族』より突如として強大な力を持って生まれた魔王が、世界を破壊と混沌へと陥れた。魔王は一族と凶悪な魔物、魔獣を率いて、人間たちを蹂躙、そして支配しようとしたのである。


 血と炎の赤。絶望の黒に染まりゆく世界。

 しかしその中でも、人間たちは希望を捨てることなく、強く、たくましく生き抜いたのである。闇の一族に対抗するための強力な武具を鍛え上げ、様々なアイテムを研究し、創り上げた。魔法や武術などのスキルは進化し、闇の一族をも圧倒した。闇の一族との激しい戦いは、人間たちの文明を加速度的に進展させていったのだ。


 何よりも忘れてはならないのは、勇敢なる人々――冒険者たちの働きである。


 冒険者。

 彼らは闇の一族に対抗するための手段を探し求め、世界中に旅立った者たちである。

 ある者は闇の一族が生み出したダンジョンへ。ある者は古代の遺跡へ。またある者は極寒の地へ……灼熱の大地へ……。彼らは未知なる領域をも恐れずに足を踏み入れていった。

 そして数多のアイテム、武具の素材、旧文明の貴重な知識などを持ち帰り、それらは闇の一族を打倒する手段へと繋がっていったのだった。


 一方の闇の一族は、急速に力をつけていく人間たちに対処しきれずにいた。彼らは強大な力にものを言わせるばかりで、進歩をしなかったのである。やがて闇の一族の中に人間たちとの和解派も現れ、その勢力は衰えていった。


 そしてついに魔王は倒されることとなる。

 闇の一族は一部を除き、人間と共に生きてゆくこととなった。


 世界は平和となり、大冒険時代は緩やかに終わりに向かっていった。


 

 ……かに思えたのはほんのひと時のことだった。


 そう。

 大冒険時代はまだまだ終わらない!

 今も冒険者たちに宿った熱は冷めることなく、彼らは新たな夢を追い続けているのだ!


 これは、そんな冒険者たちの物語である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る