孕め！宇宙のプリンセス （校正修正作業終了）

プロローグ

00.はじまりはじまりでござる。

　遠い遠い、遥か未来の太陽系で―――。

　太陽星系連合は、三度目となる宇宙大戦の危機を迎えていた。

　突如地球に侵攻した月の民ルナリアンが、傭兵集団『ムシャ』と手を組み、修復作業をかたりハイパーゲートを封鎖。通商が大幅に滞り、ガニメデの連合議会は紛糾。

　後に月の首相シディアによるクーデターに端を発したことが分かり、太陽系の秩序と平和を守る隠密組織『シノビ』へ、シディアに捕らえられたフィニーズ・バローズ皇帝と第一皇女ユウナを救出する任務を依頼する。

　その後、月にやや近いラグランジュポイント第七コロニーから、一人のシノビが月に赴き、皇女を連れだすことに成功する。

　彼の名はサビゾー。

　その瞬間、宇宙の命運は、カピバラ顔の少年に託されることになるのである。

「さぁ、はじまりはじまりでござる」