時に皮肉

勝利だギューちゃん

第1話

タレント、特に女性アイドルが、よく口にする。

「私の恋人は、ファンのみなさんです」

当たり障りのない答えだが、ファンを大切にしてるとも、取れなくもない。


タレントといえども、1人の人間。

恋愛もするだろうし、それがプライベートな事なので、

首をつっこむつもりはない。


もしタレントが結婚して、ファンを止める人がいたら、

その程度の、想いしかなかったということ。


ただ、芸能人のゴシップを取材して、その本が売れているが、

日本人というのは、うわさ好きなのか・・・

こういう話は、好きではない。


テレビの中の人は、自分とは住んでいる世界が違う。

たまに会う事は会っても、交わることはない。


そうあるべきだし、それでいいと思っている。


しかし、運命というのは、時に皮肉。


たまたま聴いた、女性タレントさんのラジオ番組。

タレントさんには、詳しくないので、Hさんとしておく。

その中で、Hさんがある質問をした。


その事について、多少の知識のあった俺は、投稿してみた。

「まあ、没だろうな・・・」


しかし、採用されてしまった。

そして、記念品(ノベルティ)を頂いた。

サイン色紙だったが、これで終わると思ってた。


そして、その番組の公開録音が行われる事になり、応募していないのに、

招待状が届いた。


1回しか出していないのに、なぜ届く?

俺に出すなら、常連さんに送ってやれ。


そう思いつつも、

「まあ、近くだし、行ってみるか」

軽い気持ちで、足を運んだ。


すると、既に大勢の人がいた。

なかには、チケットを求める人もいた。


「このHという人、人気あるのか」

全く知らなかった。


そして、指定された席についた。

隔離されえいる。

「特別席なのか?」


まっ、いいや。

始まれば寝よう。


すると、隣の席の女子から、声をかけられた。

「すいません。友達がいるんで、席変わっていただけますか?」

「いいですよ」

俺は、二つ返事で、指定席をトレードした。


まあ、同じ特別席内だが・・・


「ファン歴長いんですか?」

先程の女性が声をかけてきた。

「いえ、たまたまなんです。」

俺は正直に答えた。


「よろしければ、アドレス教えていただけますか?」

あからさまに怪しい。

でも、無視すればいいか・・・

最悪、変えればいいし・・・


そう思い、俺はその女性とアドレスを交換した。

俺からは、連絡を取らなかった。

男性から連絡するのが、世の常。

俺からしなければ、向こうはあきれるか、忘れるだろう。


すると、数日後にその女性から、メールが届いた。

「ペンネームだけでも、教えて下さい」と・・・


えーと、何だったけな?適当に付けたからな・・・

そうだ・・・あの質問にちなんだPNにしたんだ。


「はるか281」と・・・


それから、頻繁にメールが届くようになった。

すぐに、飽きられると思っていたが、今も続いている・・・


なぜ、こうなった?

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時に皮肉 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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