カテキョLOVE?そんなモノは無い 〜天下姉妹と俺〜
アキノリ@pokkey11.1
第1話 家庭教師、須藤昌浩
高校2年生の俺、須藤昌浩(すどうまさひろ)はとても貧乏だ。
しかも性格根暗、身長170の低め、中肉、体力平均並み、顔立ちも平均と不揃い。
唯一自慢できる点としては成績が優秀なだけだ。
親父が亡くなって母親に育ててもらいシングルマザーの問題が有って貧乏である。
それ故にタクシー利用などそんな事は一切出来ない.....筈だった。
そう、今日までは。
俺はその日から5日前、とある大企業の同年代の姉妹の家庭教師になった。
のだが俺は今、山の中に居る。
勉強と全く関係無い状態だ。
何が起こったのか、それは俺にも分からんが確か、俺は.....。
姉妹の手作りのオレンジジュースを飲んで、気絶した。
それを飲んだのが午後5時で30分経った今、その30分の記憶が無い。
まさかとは思うが。
「あのクソアマ姉妹め!やりやがったな!!!」
俺にもしかして睡眠薬を盛ったか!!!
絶対に殺してやる!
先生を、家庭教師を何だと思ってんだ!!!
許さんぞコラ!
「.....決めたぞ.....あの姉妹を.....●辱してでも勉強を教えてやる.....金なんぞもう関係無いぞ.....!!!フハハハハ!!!」
俺は山の中でそのまま高笑いした。
それから慌てつつ直ぐに電波の届く所まで行き、タクシーに乗り込んで山を出た。
因みにこのお金は大企業のお父様から頂いたのだが.....。
貴重な交通費をこんな早くも使い果たす事になるとは.....クソッ。
絶対にあの姉妹だけは許すまじ!
☆
5日前の事、学校にて。
俺は屋上で昼飯を食べていた。
そんな俺は学年で常に一位の成績で有る。
それ故にクラスメイトにそれ相応に妬まれていた。
成績優秀だからって調子に乗んな、と。
そして、ボッチだった。
別に好き好んでこんな成績優秀になっている訳では無い。
取り敢えず、公務員や医者にでもなって高月給になって家族を助けたい。
そう思っているだけなのだが、それは説明するのが面倒い。
しかし、売店ってのは便利だな。
学生の諸君に安いのだ。
屋上にてパン(売店で廃棄寸前で貰った物)を、水(水道水)で食べつつ自らの腹を満たして。
ってこれ買ってないってツッコミが来そうだが。
とにかく、俺はこうして全てを節約している。
それぐらいの貧困なのだ。
「.....さて。腹も満たった。.....昼の授業.....」
そのように決意して口を拭ってその場から立ち上がった時だ。
俺の真上からどいてー!!!と叫び声が聞こえてきた。
上を見上げると、そこにシマシマのパンツが.....え?
そのまま潰された。
ドガッシャン!!!
「.....!?」
「イタタ.....ッ!?」
よく見ると、俺の口元に尻とパンツが有った。
それを.....言いづらいのだが気がついた俺は股間を勢い良く俺はスーハーしており。
俺は見開きながら赤面でムムム!?と言う。
それに悶える、女。
見上げると相手はこちら側を確認しており真っ赤になっていた。
俺はその容姿にかなり驚愕する。
かなりの美少.....
バチコーン!!!
「ちょ、マジで最低!!!アンタ何してんの!!!」
「プハッ.....ハァ!?お前が降ってきたんだろうが!」
俺は被害者だッ!
って言うか、俺を容赦無くぶっ叩きやがったぞコイツ!
小麦色の長髪のサラサラな髪をした、女。
スタイル抜群で、顔立ちも整って、更に股間に触れながら俺を睨む。
何だコイツは?給水機から降ってきたのか?
同学年とは思いたく無いぐらいに最悪だ!
思っていると、カンカンと金属を叩く音が聞こえて誰かが給水機から降りて来た。
そして首を傾げて聞いてくる。
ツインテールの女の子。
「.....お姉。何してんの?」
「こ、こ、コイツが私のパンツを嗅いだの!さ、最低!」
何を言ってんだこの女!
誤解だろうが、クソボケ。
俺は頭を掻きながら、給水機から降りてきた女子を見る。
きっとこの光景を見ていただろうと思って。
小麦色の髪の毛に袖が腕より大きいのか少しだけフニャッとなっており、体系としては小学生に近く、身長も少しだけ低い様な、顔立ちの整った童顔の少女だが.....。
ん?小麦髪?
思っていると、眉を顰めた少女に蹴られた。
☆
「蹴りを.....クソッ!何だってんだ!.....」
青色のシマシマのパンツが見える程に蹴られた。
だがそれでも俺は午後の授業を受ける為に必死に教室に帰ってきた。
それも保健室に寄ってからアイスノンを貰って、だ。
思いっきりに蹴られたので、器官がむせたり。
あの女ども.....絶対に許さない。
俺は怒りに満ち満ちながら授業を受けた。
☆
そのまま午後の授業を受けた。
そして静かに帰宅準備をしてからさっさと教室を出る。
取り敢えず、今はあの馬鹿女どもより可愛い妹達の顔を見て落ち着こう。
と、校門を出た辺りで母親から電話があった。
「もしもし?母さん?」
『あ、まーちゃん。お母さんよ』
「いや、あのな.....その呼び方は.....」
『まぁまぁ良いじゃ無いの。えっとね、まーちゃん、高額なアルバイトを探していたわよね?』
フワフワな感じの母親からアルバイトに関しての電話が掛かってくるとは。
取り敢えず、そうだな、と俺は頭に手を添えながら答える。
高額なバイトなら何時でも探しているが犯罪じゃ無い様なバイトは何処もやってないというか、見合わない。
だから困っているのだが.....。
『えっとね、まーちゃんに良さげなバイトの募集が近くのビルの裏側に貼ってあったわ!電話してみなさい!電話番号は.....』
「.....な!?ちょっと待って母さん。それおかしい!絶対に怪しいバイトだから!」
『えー。でもその.....美味しいモノを妹達にも食べさせたいわよね?』
その言葉にうぐっと息が詰まる。
確かに俺には年の離れた小学生の二人の妹が居る。
が、だからと言え.....犯罪はごめんな気がするんだが?
『えっとね!時給一万円らしいわよ!それも家庭教師のバイトらしいわ!』
「1万!!?なんでや!ますます怪しいわ!!!.....って家庭教師?」
『うん!そうそう!まーちゃんにオヌヌメ!どうかしら!』
母さん。
確かに貴方は若いが今時になってオヌヌメとか使うか.....とそれなりに苦笑いを浮かべながら思ったり。
しかし時給1万円って相当な.....ってか教えるのが得意な家庭教師.....ね。
クソめ、いや、家計を助ける為だ.....そう、家計を助ける為には犠牲も必要だと思うからと、その様に思い俺は言われた電話番号に電話した。
そう、俺はもうそれなりに大人。
だから逃げれる筈だ!
とか言う奴が1番に危ない目に遭うんだよなと思いつつも!
プルルルル
『もしもし』
取り敢えず曖昧にして居ると数秒で相手に掛かった。
逃げれなくなり、ってか、野太い男声だな!
ガタイがでかいんだと思うけど怖い!
『もしもし?何でしょうか。ご用件は.....』
「.....えっと、も、もしもし?家庭教師のバイトの項目を見てお電話を差し上げたのですが.....」
その事で男の声色が変わった。
一気に変わる。
それどころか周りからザワザワと声が.....え?
『.....おお!お嬢様方の家庭教師のバイトを!?ではでは早速ですが、お車をご手配致します!その場でお待ち下さい! GPSの追跡機能で......』
「.....は?」
GPS?追跡?ご手配?
それを聞いて?を浮かべて1分後の事だ。
黒い車が道のど真ん中に停まって俺は抱えられ。
いきなり黒づくめの男達に誘拐された。
☆
まさかとは思ったがあのインターネットショッピングの大規模市場のご令嬢の家庭教師のバイトって.....。
俺は愕然として鞄を前に携えてオドオドしながら立っていた。
目の前に巨大なマンションの一室のドアが有る。
オートロックドアから入ってそしてこの場所を教えてもらったが.....。
まさかこんな感じで来るとは.....完全に油断した。
俺は盛大にため息を吐きながら頭に手を添えてインターフォンを鳴らす。
帰れない気がしたので、だ。
これから怪しいバイト募集に母さんが手を掛けたら止めようと思いました。
ピンポーン
『はい。どちら様ですか』
「ああ、すいません。えっと、頼まれていた家庭教師なんですが」
『.....そんな出前ピザの様な.....頼んでない.....またパパ.....かな。恋子お姉、家庭教師だって』
『ハァ?』
バタバタガチャ。
そんなやりとりが有りながらもドアが開いた。
そして俺は見開く。
相手も俺を見て見開いた。
「アンタ!?」
「お、お前は!?」
小麦色の髪の毛の美少女だった。
コイツ!あの暴力女!!
ってか、令嬢ってコイツなのか!!?
俺は青ざめながら表札を確認する。
しかし、間違いは無い。
「.....あ、アンタ.....カテキョって嘘でしょ.....か、カテキョ!?」
「.....俺だって嘘と信じたいわ.....」
青ざめるのはこっちの台詞だ。
俺は静かに頭に手を添えた。
有名ネット市場、天下家。
つまり、この女こそ。
車の中で黒づくめどもが話していたご令嬢、天下恋子(てんかこいこ)という事だ。
何だこれ、頭痛がし始めたんだが。
やっぱり逃げようかな。
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