タイトの半生

天照てんてる

序章

 とあるさびれた町。町民の娯楽といえば、もちろん酒と女と公営ギャンブル。


 ルールは簡単、馬に乗って魔法で戦う3人の、誰が勝つかを当てるだけ。馬から落ちたら負け。全員が落ちた場合は返金である。


 そこに、大穴狙いの人間しか賭けないような、タイトという青年が居た。


 その青年の物語。





「タイトー! てめーに有り金全部ぶっこんだんだ、今日は勝てよー! かあちゃんの誕生日なんだよ!」


 バクチ場には付き物の、ありがちな野次が飛ぶ。

 今日の対戦カードはタイト、タカシ、ノリヒロ。


 ノリヒロが試合開始早々攻撃呪文を唱え、タカシとタイトに向けて放つ。

 タカシは軽々と避ける。

 タイトは防御呪文を急いで唱えて発動するも、馬が避けようとしたため落馬。


「タイト! てめーバカヤロー、引退しちまえ!」

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