第51話 ハッピーエンド

「さて」


一段落つき、レミアに呼ばれ、個室へと集まった。


俺、レミア、フィン、マリン、ヴァルナ。

うちのPTだけだ。


「エイコク殿・・・そろそろ、頼む。苦しくて、たまらないのだ」


なるほど・・・しかし、


「レミア、初めてはベッドの上でした方が良いと思うのだが・・・そこのソファーで良いのか?」


「何をする気だ?!魅了チャームを解除して欲しいんだ!」


・・・そう言う事か。

仕方が無い。


「さあ、頼む」


レミアが豊かな胸をつきだす。

鎧を脱いでインナーだけになっているので、良くわかる。

・・・触りたかったなあ。

触ったけど。


解放リリース


解除を行使する。

これでいいのか?


「・・・どうした?早くしてくれ」


レミアが促す。

あれ、違うのか?


「どうしたんですか、レミアさん。魅了チャームは解除されましたよ?」


マリンが、淡々と告げる。


「・・・何?だって──」


レミアの言葉に、マリンが被せる。


「今の気持ちは、紛れが無い、完全な本心しんじつです。レミアさんは、エイコクさんの事を?」


「いや・・・それは・・・」


レミアが否定する。


「レミア。僕も確認したよ。今、レミアには、一切の魅了チャームの効果は無い。魅了チャームは完全に解けているよ。?」


フィンが尋ねるが、


「ば、馬鹿な、そ、そんな訳無いだろう!」


レミアが強く否定する。


・・・はっきり言われると、やっぱりショックだな。

少しくらい好意も残るかと淡い期待があったが・・・甘かった様だ。


まあ、非モテ人生。

3人の女の子から好意を寄せられているだけでも、上出来なのだ。


「それよりレミア。時間がおしている。向こうで王族同士、必要な話がしたい」


フィンがレミアの肩を掴む。

・・・魔族の扱いとか、色々有るんだろうな。


「ま、少しエイコク殿と──」


俺と?


「レミア、時間が無いんだ」


フィンが首を横に振る。

そんなに急いでたっけ?


「エイコクさん、魔力結晶運ぶのを手伝って下さい。エイコクさんの御友人方を送還するのに必要なんです」


マリンが言う。

そう言えば、そんな話があったな。


「分かった。魔力結晶は何処に?」


「こっちです」


マリン、ヴァルナと共に、魔力結晶貯蔵庫に向かう。


慌ただしいが・・・ともあれ、これで世界に平和が訪れたのだ。

みんなが望んだ、永久の平和が。


--


世界に平和が訪れてから、1年。

光森達は、全員、元の世界に帰った。

実は、1部残りたいという意思を示した者もいたが、言を左右し、丸め込み、送還したらしい。

異世界知識所持者を、意味も無く残すのは、リスクが高い。


俺は、結局、王にはならなかった。

フィンが女王として君臨する予定だ。

未だ、フィンの父親──義父が現役だが。


「エイコク、手伝ってぇ」


ふらふら、とやって来たのは、ヴァルナ。

俺は仕事は免除されているのだが、結局、3人の妻の仕事を手伝う事が多い。

特にヴァルナ。


ヴァルナのお腹が、少し膨らんでいる。

俺の子供だ。

結構直ぐに妊娠したのだが、魔族は出産迄に3年かかるらしい。

産まれてくる子供の立場は、この国の皇子となる。


「分かった、行くから引っ張るな」


俺は苦笑して応える。


そう言えば、


「結局、レミアの結婚式、呼ばれてないな」


呼ばれたら呼ばれたで、微妙な気分なのだけど。

俺の言葉に、


「レミアなら、婚約破棄したよ。今は、暇があれば自室でうーうー唸っているらしいね」


ヴァルナが反応する。


「婚約、破棄したのか・・・?」


何故。

そして、何故部屋で唸る。


「レミアも素直になって、頭下げれば良いのにねえ」


ヴァルナが良く分からない事を言う。


魅了チャームは、結局、あれ以来使っていない。

使いまくってハーレムを作ろう、そう考えていた時期もあったが。

ヴァルナ、フィン、マリンと結婚したら、そんな時間は無くなった。

そもそも、この3人に並ぶ魅力的な女性は、レミアくらいのものだ。


「エイコクさ〜ん」


ヴァルナが呼ぶ。

少し足を早める。


ヴァルナも優秀なのだが・・・全体の仕事量が多いのと、フィンとマリンが優秀過ぎるせいで、ヴァルナの仕事が余りがちになる。

それに、魔族関連の案件も集中するしな。


お腹の子の事もあるし。

ヴァルナと仕事をする事自体、嫌いじゃない。


俺は今、幸せだ。


*******************************


お付き合い下さり、有り難うございました。

この話は此処で終わりになります。


おまけで、甘い生活も少し書きたい気もしましたが・・・

下手に書くと警告受けたりするので、スキップか、伏せ字か、別の場所に書くか・・・


最終ステータスのページもおまけでつけておきます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る