【10万PV】異世界転移したら魅了の固有能力を得たので、ハーレムを作ろうと思う。

赤里キツネ

第1話 異世界転生!

「こっちです」


俺は、緊迫を込めた声で言う。

相手は・・・お世話になっている姫騎士。

レミア。

俺の指導役であり、世話役だ。


「うむ・・・ランク2を超えるかも知れぬ魔物とは・・・このあたりで出るとは・・・」


紅い透き通る様な髪、長く、腰まで伸びている。

風に揺れ、光っている。


容姿端麗。

何処かのお姫様、と言われても信じるだろう。


良くあるファンタジー物の様な、露出の多いビキニ・アーマー・・・等では無い。

魔法防御と物理防御を良く考えられた、ライトメイル。

だが・・・普段指導の際には、鎧はつけていないので、その体が抜群のプロポーションを誇る事は確認済みだ。


「あとどのくらいだ?」


鋭い声で尋ねるレミア。

ここらでいいか・・・


俺は馬からおりると、地面にしゃがみ込む。

ちょっとバランスを崩したのは秘密だ。


「どうした?」


レミアも馬をおり、覗き込む・・・


「行使、愛属チャーム!」


成功!

レミアは体中が真っ赤になり、口からよだれがでて・・・体中から汗が噴き出し・・・エロい。


「あ・・・あ・・・?」


レミアが虚ろな目で膝をつく。


レミアには本当にお世話になった。

1人、大したスキルもなく(隠していたんだが)、放置されかけていたのを・・・世話役と指導役を買って出て、親切に指導してくれた。


だが・・・その恩人を・・・今・・・


俺は自分でも邪悪と分かる笑みを浮かべると、興奮を抑えつつ、レミアに告げる。


「跪け。そして、鎧を脱いで・・・胸をはだけろ」


レミアの瞳を真っ直ぐに見て、力ある言葉を口にした。


--


此処は・・・何処だ?

俺は学校に居たはずだが・・・


周りには、見知った顔・・・というか、さっきまで見ていた顔。

クラスメートの顔が並んでいる。


どよどよ・・・


話し合っている。

俺に話しかけてくる奴が居ないのは、クラスで浮いているからだ。


状況は・・・想像がつく。


異世界転移。


クラス内の誰かが呼び出され、誤ってみんな転移させられたか・・・

もしくは、元々クラス全体を対象としたか・・・


この手の話は、幾つか知っている。

なら・・・


やるべき事は、まずは自分の力を隠す事。

異世界転移物では、転移した者を騙して色々させたり、有名になってしまって身動きできなくなったり・・・

色々問題がある。


「ステータス、オープン」


俺はこっそり、影に隠れた場所で試してみる。


・・・何も起きないか。


ガチャリ


部屋の扉が開いて、老人が入ってきた。

続いて、強そうな兵士達が入ってくる。

その兵士達に交じって・・・美しい女性がいた。

紅い髪、紅い目。

着ている鎧も、淡い紅。

装飾も豪華なので、地位が高いのだろう。


「皆様、この度は不躾な呼び出しをしてしまい、申し訳有りません」


老人が頭を下げる。

兵士達も一同、頭を下げる。


「これは・・・一体何でしょうか?此処は日本・・・ですか・・・?」


クラスのリーダー的な存在の光森ひかりもり賢治けんじ

超モテる。

だが、異世界物の小説とかアニメとかは見てないんだろうなあ。


「日本・・・貴方達の居た世界でしょうか・・・?此処は日本ではありません。ソードヴェール、と我々はよんでおります」


「賢治、これは異世界転生、かも知れないわ」


賢治の彼女、黒兎くろうさぎ清水しみずが話しかける。


「異世界転生・・・?」


「ええ。此処は・・・地球があった場所とは別世界。魔法により召喚された・・・」


「・・・別世界・・・?召喚・・・?魔法・・・?」


「・・・信じられないけど・・・そう考えるべきでしょうね」


混乱する賢治に、同じく混乱する清水が告げる。


「私達の世界は、危機に瀕しております。その為、皆様にこの世界を救って頂きたくて・・・召喚させて頂きました」


老人が頭を下げる。


「・・・断る、と言ったら?」


清水がそう言うと、


「帰還の魔法陣を使って、元の世界に戻させて頂きます・・・申し訳有りませんが、1ヶ月に1回、となりますが」


あ、帰らせてくれるのか。


「魔王の城には魔力結晶が蓄えられておりますので、それがあれば皆様に一度にお帰り頂く事が可能です。魔王討伐に成功した際には、持ち帰る様に御願いします」


老人が続ける。


「この世界で死んだら、どうなるのですか?」


別の男子が、尋ねる。


「申し訳有りませんが・・・死にます。ですので、危険を感じたら逃げて下さい。元の世界に帰還を希望される場合は、仰って下さい」


「・・・俺達に何かメリットは有るのでしょうか?」


賢治が尋ねる。


「・・・世界を救った功績で、運命値が上昇すると聞いております。運が絡む事象で、良い結果となる事が増えるでしょう。また・・・もしこの世界に残って下さるのであれば、功績に相応しい地位や金品を準備致します」


老人が答える。


「この世界ですごした時間は、元の世界に戻ったらどうなるのでしょうか?」


別の女子が尋ねる。

君ら、絶対異世界転移物読んでるだろ。

質問が的確すぎる。


「・・・皆様の時間としては、召喚された直後に戻ります。この世界で30年すごそうが、元の世界では1秒も経っておりませぬ」


同様の疑問を感じているのだろう。

老人がたじたじだ。

やりやすそうではあるけど。


「これを」


女騎士が、みんなに宝玉を配る。

まさか・・・支配のオーブ?!


「ステータスクリスタルです。これを持って念じて頂けると、心の中に自分のステータスが浮かびます・・・これはこれで貴重な物ですので、1回で確認する様に御願いします」


女騎士がぺこり、と頭を下げる。


・・・やっておくか。


「おっしゃああああ!」


クラスの男子の1人が、歓喜の声をあげる。

良い職に当たったのかな。


特異職業エクストラクラス、邪眼士だって!固有能力ユニークスキル、邪眼10!相手を取り込み、スキル等を自分の物にできる・・・!強えええええ!」


ざわっ


兵士達がざわめく。


兵士達が機敏な動きでその男子を取り囲み・・・


ガッ


意識を刈り取る。

運び出していった。


・・・


「・・・すみません、お騒がせしました・・・また、皆様のお仲間に無礼を働いた件も謝罪致します」


女騎士が頭を下げる。


「・・・どういう事だ!強蛇を何処にやった?!」


賢治が詰め寄る。


「・・・申し訳有りません。彼は、元の世界に帰って頂きます・・・あの職業は・・・邪術、と呼ばれ、危険な物なのです・・・」


女騎士がぺこぺこ、と頭を下げる。


「邪術。本来は魔族の長に稀に出現する超レア職業なのですが・・・何故か非常に稀な確率で、召喚者に混じってしまうのです。記録によれば、1000回の集団召喚で1人くらい・・・10000人に1人くらいでしょうか」


女騎士が続ける。


「先程の職業は・・・魔物を取り込んだ際、その魔物の感情や思考、体までも取り込むので・・・自分が自分ではなくなり、ただひたすらに周囲の存在を吸収する存在となります・・・アレに滅ぼされた世界も少なくないと聞きます」


超リスキーだな。


「・・・お・・・おう・・・」


賢治が若干引いて、後ろに下がる。


「ですので、邪術士系統の職業を引いた方は、教えて下さい。そして、そのスキルは絶対に使わないで下さい。その方は、来月お帰り頂きます」


女騎士が続ける。


「まあ、極稀にしか発生しないので、もうあり得ないとは思いますが」


女騎士は、冷や汗を拭いつつ、言った。


「俺は・・・勇者、か」


賢治が言う。


「私は大賢者、らしいですね」


清水が言う。

待てや、お前等。

女騎士が目を丸くしている。


他にも、聖女やら大盗賊やら、竜騎士やら・・・

広間は歓喜に溢れ・・・


「貴方は?」


女騎士が俺に尋ねる。


「初級魔術師です」


「・・・ははは、ちょっとほっとしました」


女騎士がそう告げる。


結局、俺は残ってもする事がないだろう、という事で、優先的に帰還させてくれると言われたが。

少しこの世界を見たい、と断った。


最低限の力はつけてくれる、と、女騎士が世話役を買って出てくれた。


さて。


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名前:薄羽うすば影刻えいこく

職業:邪恋士じゃれんし1(特異職業エクストラクラス)(邪術士系統)

固有能力ユニークスキル

 愛属魔法れんぞくまほう

  ・相手を強制的に惚れさせる魔法を覚える。

  ・魔法を2回続けて行使する。

  ・初級魔術を行使できる。

魔法:

 愛属チャーム

  ・相手に耐え難い恋心を抱かせる。

  ・************

  ・************

  ・************

 初級魔術

  ・初級に限り、全属性の魔法を行使できる。

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どうしたものか?


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2019/03/11:

ベリア→レミア

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