僕の生れてきた意味

不朽林檎

プロローグ

 たった一つの隠し事。僕はそれを、決して彼女に明かさなかったし、その存在を彼女に知らしめることさえも慎重に避けた。理由は無い、つもりだったのだが、彼女と知り合ってしばらくの後には、そうも言えなくなっていた。僕は、間違いなく僕自身の意思によって、隠し事を守り抜いた。


 僕は、この世界を愛している。それがどれだけ残酷であろうとも、それは美しいから。彼女がそれを、教えてくれたから。

 意味なんて、問う者が間違っているのだ。多分、意味なんてない。そう、何にだって。

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