第6話 金が好きな男 バラ園にて

「これが、お姉さまのお仕事ですか。

 何と愉快なお仕事なのでしょう」


バラ園には主人以外にもう一人の少女が座って居た。

主人と一緒に紅茶を愉しみながら、表情は爛々としている。


「お気に召したかしら。

 可愛い可愛いわたくしのシェーナ」


「ええ。お姉さま。

 それは、もう。わたし、もう、震えが止まりませんわ」


色とりどりのバラに囲まれた庭園の中心では、

青いドレスの少女と赤いドレスの少女が戯れていた。


「それで、シェーナは引き受けて頂けるかしら。

 わたくしの存続決定任命管の補佐を」


「もちろんですわ。お姉さま。

 私にも有意義なお仕事を手伝わせて下さるなんて、

 お姉様はなんて美しお姉様なのでしょう」


「では、お仕事を始めましょう。

 とっても愉快な愉快な、人間の願いを叶えに」


鈴の音の様な笑い声だった。

その声はとても美しく。

その声はとても清らかで。

その声はとてもーーー 

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