添えた花はユリの花

彼女は最後

泣きながら笑って俺に一言ありがとうと伝えて消えていった

俺はなにか出来たのだろうかと教室の隅で1人考える

俺は誰も助けられない

それでも何か力になれているのなら少しだけ罪を償えたのかもしれない


その日の学校は午前で終わった

集団で気を失い、悪夢を見たことによって早く家に帰ることになったのだ

一日、家に出るなという教師の言葉を無視して白石が眠る墓地へと行くと不思議な光景を目にした

全校生徒ではないがそれでも数十名…

全く事件とは関係ない生徒も花を添えていた

何か少しだけ進歩があったのかもしれない

白石の言葉や行動が、少ないけど誰かしらの心に刺さったのかもしれない

無駄ではなかったことを目で確かめて少しだけ笑みが零れた

俺は黄色のユリの花を添えその場を後にした





翌朝の学校では原因不明で校長が亡くなったという話題で持ち切りだ



罪の償い方は人それぞれである




自分の部屋の片隅にあった黒いユリの花は散っていた

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