第四章3 『新たなる襲撃者の情報』
カグラは村正を尋問したメイド喫茶からの帰り道。安宿のリビングでスイーツを食している二人に話掛ける。
「…………。あいつは、真の武士だった。俺の苛烈な拷問にも耐え、指一本一本へし折っても決して屈しなかった。正に、ラストサムライであった。俺も、本当はしたくはなかったが、自白剤を使い………。ついには、自白させることに成功した」
「ハイハイ、マスター、ソレハスゴイデスネ()」
「うるせーにへ。ぶっちゃけ、ボク達ご主人と村正がどこに行ってたか知ってるにへ。ご主人達はメイド喫茶で遊んでいただけ。信用できないから、セレネとこっそりつけてたにへぇ」
「お前らなぁ。人のプライバシーを侵害すんなよ! プライベートな時間は相互不可侵・不干渉の約束だろおっ!! 聖地に侵入してくんな! この馬鹿どもめが!」
「ムッ………。メイド喫茶はマスターだけの物じゃないデス。メイド喫茶の男女比率は6対4。それなら、女性であるワタシ達が帰宅してもおかしくはないです、ね、ソレイユ?」
「そうそう。ご主人もやましいことがないなら、堂々としているにへ」
「ぐぬぬぅ」
安宿のリビングに来客、片手には銀紙にくるまれたタコスを持っている。村正である。ケバブも良いが最近はタコスだよねとは、村正氏の弁。
「カグラ殿~! 夜なべしてお主達用の衣服を作ってきたでござるよぉ。自慢の逸品なので、ぜひ見て欲しいでござるぅ」
「おお、同志村正。良き心構えだ。うむ、それではその自慢の品物とやらを
「まずは、ソレイユ殿には、ゴシック的な装飾を施した甘ロリ系の服でござる。あと、ウサギのマスコット付きの髪留め用ゴムバンドも作ってきたでござる。ポニーテールでも、ツインテールでもどっちでも似合うと思うでござる」
「うわー。ありがとう! めっちゃかわいいにへぇ!」
「そして、セレネ殿には、ロング丈のメイド服でござる。確かに絶対領域は素晴らしいと思うので、ござるがクラッシックスタイルも、良い物であることに気が付いたでござる。あとは、マガジンストック付きのガーターでござる」
「村正サン、ありがとうデスっ! とてもかわいいデス」
「そして、カグラ殿には、この股間ガードをあげるでござる」
「おい。村正、俺のだけ手抜きじゃないか?」
「そりゃまあ、ぶっちゃけモチベの問題でござるよ常考。見目麗しいお嬢様方と、男を対等に扱えというのはあまりに残酷にござる。股間ガードをつければ男性的魅力がアップでござる。カグラ殿のパンツの下にすぽっと入れてみるでござる」
「おらよっと、よいしょ、ゴソゴソ………っと、どうだあ、これで良いのか?」
「マスター………ソノッ………股間ガっ」
「ヘンタイにへぇ………」
「ん、どうした村正、俺の股間がなんか変なことがあるか?」
「うむ。これ失敗かもしれんでござる。なんか、常に勃起したような感じで、これで外歩いたら、ある意味で女性の視線は釘付けにはできるかもしれんでござるが、職質は免れぬでござるなぁ………」
「っざけんな。まあ、とは言え、せっかく作って貰ったものだし、捨てるのももったいない。あとで、紐でも通して肩パッド代わりに使うぜ。まあ、素敵なプレゼント作ってくれてありがとなっ!」
「可愛い女の子に服着てもらうのは拙者としても楽しいから気にしないでも良いでござるよ! ところで、昨日話していた襲撃の件は、気を付けるでござるよ~。それじゃ、拙者はメイ道と、刀工鍛冶師の仕事とか諸々で忙しいのでアデュー」
そういって、村正は颯爽とどこかに行ってしまった。
「ふむ。忙しい奴だな。そうそう、次も偉人系の敵が攻めてくるらしいぜ。マルコポーロとかいう奴らしい。なんか世界史で習った気がしたけど、覚えてないんだよなぁ。セレネ、ちょい調べてくれるか?」
「ラジャ。データベース照会…………マルコ・ポーロ…………世界を旅した大航海者…………戦闘能力等についてのデータは一切無し…………航海者の異名もありますので…………迎え撃つなら海岸沿いデショウカ?」
「うーむ。そうだな。一応ギルドのおっちゃんにも襲撃の件は伝えとこう」
「ところで、いつやってくるにへ?」
「3日後だそうだぞ」
「はあ。じゃあ、それまで、ノンビリ読書デモするデス」
「うむ。そうだな。それじゃ、俺も遊びに行ってくるか。……お前らな、俺は特にやましいことはないけどな、プライバシーは重要だ。自由時間中は、相互不可侵・不干渉。今度は着いてくるなよー!」
「ホエェ」
「にへぇ」
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