卍で世界征服
先仲ルイ
プロローグ
決勝戦
「卍卍卍卍ィィイッ!!!!!!」
「ぐわーーーっ!」
吹き飛ばされ闘技場ステージの壁に体がめり込む。
今の掛け声と攻撃、何やらこの世のものではない強大なパワーを感じたが、何だったんだ…?
「どっ、毒りんご選手の超攻撃によりスタジアムは半壊ィッ!!同時に吹き飛ばされたクツルタ選手も再起不能とみなされました!よって勝者はァ―――ッッ!毒りんご選手――――ッッッ!!!!!」
「うおおおおお」とギャラリーが喚く。俺はクツルタ、特殊武道都大会決勝でたった今敗れた男だ。
しかし、ヤツに負けた者にしかわからないあの技……。ギャラリーの奴らは気づかなかったのか…?
あれは、明らかに人の為せる技じゃなかった。
しばらくして、毒りんごがこちらに歩いてきた。
敗者の俺に何の用か。
「クツルタ君、か。君の技はァ良かった…。俺もここまで本気を出したのはいつ以来かな。さて、君も表彰台に上がるんだぞ」
壁にめり込んだ俺に手を差し出し、満面の笑みの毒りんご。その笑顔に悪意というやつは無く、少しためらったあと、俺は無言で手をとって壁から救出されたのだった。
表彰台に立ちながら考えた。
まさか、毒りんごというヤツにここまでの情があったとは。考えていると自分が情けなく思える。
情けなく思い、二位の表彰台に立つ俺は、もっと強くならなければならない。そう感じた。
表彰式が終わったあと、俺は毒りんごのもとへ駆けてゆき、
弟子にしてくれと、そう頼んだ。
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