キリコ 『第21弾 うちの家には神様がいる』

【名前】キリコ

【性別】女

【年齢】49才

【職業】専業主婦(仕事をしているという描写はない)

*登場作品*

【ややホラー風味な】うちの家には神様がいる【ショートショート第21弾】

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888047304



 ある日、突然”神様”となってしまった主婦。

 この”神様”というのは、以下のような謎の試みによって選ばれた”神様”を指していた↓

『各都道府県につき、1名の”神様”を選定する。

 皆、神様の言うことに従うべし。神様を敬うべし。神様を愛すべし』

 適当に選ばれたであろうことは明白な日本全国47名の神様に、その各都道府県に住む者たちは絶対に従わなければならない。


 ”神様”に選ばれたキリコの権利と情熱は、外ではなく全て家庭内に――”自分の手料理”へと向いてしまった。夫と息子が食べるものは、自分の手料理だけ認める、と。

 だが、キリコは元々、要領も悪く段取りもできず、食事の支度に”尋常じゃないほど”時間がかかる妻であり母であった。


 自分の夫・トシユキや息子・ユキトが、”いったい、いつになったら解消されるかも定かでない空腹”で泣くほどに辛い思いをしていることにも全く構わず、「インスタント食品は絶対認めない。たまにつまむ程度のお菓子やおつまみも絶対の自分の手作りであること。厳選なる口コミによって選び抜いた最高の食材と愛によって作り上げたこだわりの手料理を、大切な夫と一人息子に食べさせたいの」と言った具合に、納得がいくまで日々の料理に没頭し続けていた。

 しかも、自分自身は夫や息子たちのように完全な空腹状態が続いているというわけではなく、味見と称して「あら、いやだ♪」とバクバクつまみ食いしまくっている……

 融通が利かないとか、マイペースを貫き通すといった次元など、飛び越えているサイコっぷりだ。

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