012-♧03

今は理科の授業中だけど、僕はうつらうつらしていた。

給食の後の授業はキツイ、、、


授業の内容は遺伝。

遺伝子の説明が子守唄になり、今にも寝てしまいそうだ。

そんな僕の様子を見て、先生は僕に質問した。


『A型の母親とO型の父親から産まれた子どもの血液型は何型になる可能性があるでしょ?』


「A型です」


『違います。ちゃんと授業を聞いてましたか?』

『O型も産まれる可能性もあります』


「A型が優性遺伝で、Aの方が出るって言いてました」


聞いてたぞと言う感じで言うと、クラスメイトが笑った。


『ちゃんと聞いてましたか?A型には、AA型とAO型があります』

『母親がAO型の場合だと、子どもがOO型になる可能性があります』


AO、AO、OO、OOと黒板に書いた。


『このようにOOとなった時に劣性遺伝が発現して子どもがO型になります』

『ただABO式血液型の区別の例外にシスAB型やボンペイO型があるがこれをやりだしたら時間がかかるので、気になったら各自ネットで調べてくれ』


雑学が好きな男子がこんなことが変なことを言い出した。


「なら、三毛猫のオスってなんで珍しいんですか」

「あと赤茶毛のメス猫も珍しいとかって聞きました」


そいつの顔を見て、知ってて聞いてやがると思った。


『おい、それ話し出したら授業が潰れるぞ』


先生は腕時計を見ると、しょうがねぇなぁって感じの顔をした。


『あと5分で授業終わるから先生が説明しようと思ったが、なんでなのかは先生も良く分からないのだよ、、、遺伝子の複雑な関係でそうなるってしか言えない』

『産まれる確率は分かるぞ、たしか三毛猫のオスは3万匹に1匹で、赤茶毛というかマルドラって毛並みのメスは2万匹に1匹だそうだ』


確率の高さにざわざわした室内の中、ちょっとかわいめの女子が手を挙げて質問した。たしかあの子、猫が好きとか言ってたな、、、


「遺伝子の複雑な関係って、どう調べたんですか?」


『そりゃ、、、捕まえて遺伝子調べたんじゃね?』

『三毛猫のオスは南極調査隊に幸運をもたらすために連れてかれたこともあるぐらいだから、今でも高額で取引されているらしいぞ』


かわいそうと誰かが呟いたのを打ち消すかのようにチャイムが鳴って、授業が終わった。

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