第29話 成功報酬
だって妊娠するのならジェイミィとが一番確立が高そうだし、どうせなら早いほうがいいもの。成功報酬は、もちろん子供のためのものだけど魅力的だし、それがあれば結婚しなくてもやっていけると思うし、、、
「え、ちょっと待って、成功報酬?」そうよ、成功報酬は1000万コイン、ってすごいわよねぇ。
「1000万コイン!」なによ、今更。「子供ができたら1000万コインもらえるの?、僕、知らなかった」
ええーっ。リザリィはのけぞった。これはのけぞるほどびっくりしたという意味じゃなくて本当にのけぞってベッドから落ちそうになった。
リザリィをベッドに引っ張り上げながら「ホントに知らなかった」と僕は言った。
募集要項に書いてあったじゃない。「見落としてた、と思う」信じられない。。。リザリィは頭を抱えた。
とにかく、B計画は参加報酬が500万コイン、これは結果が出なくてももらえる。まあこれは受胎率が高いとされる若い時に結婚もせずに子供が作れるかどうかわからない他の惑星で1年間過ごすことのリスクの対価だと思ってる。でも大事なのは子供ができるかどうかでしょう?
「そりゃまあそうだね」だから子供が無事に生まれたらその子供が1000万コインをもらえるのよ。
「その場合両親は?」そのまま結婚してもいいし、結婚はせずにどちらかが子供を引き取ってもいい。その場合両親は一旦結婚して子供を1人作って離婚したのと同じ扱いになるから、またほかの誰かと結婚したとしてももう子供はあと1人しか作れなくなっちゃうけど。
「。。。」なんてこった。僕は本当に知らなかった。見落としていた。というより、B計画に参加すれば母親に文句を言われずに1年間を過ごせるということしか考えてなかった。
ジェイミィってば馬鹿なの?アウラを妊娠させたくせに。リザリィは辛辣だ。
「親の意思がどうであってもそういうことをすれば出来る時には子供は出来るよ」
今度はリザリィが黙る番だ。リザリィは改めてベッドに横になって、肘枕をして僕の方に向き直る。
話を戻すけど、私は結婚というものをできればしたくないの。あのケンカしてばかりの両親を見ていたらだれだってそう思うんじゃないかしら。でも私の両親が離婚しないのは多分養育費のことがあるからよ。単身者用のアパートは割高だし、養育費は容赦なく給料から持っていかれるから、離婚したらとてもじゃないけどやっていけない。
でもB計画で子供が出来れば。1000万コインあればどっちが子供を引き取ったとしても子供の学費の心配をしなくてもいいもの。
確かに計画としては完璧だ。でも。
「子供が出来たとして、相手はリザリィと結婚したいと言ったら?」
うーん、そうねぇ、相手も技術者階級なら子供がもう1人生まれたとしても2人分の専門学校までの学費は貯められるし1000万コインあれば2人共大学へも行けるわねぇ。
相手がジィミィで、ジェイミィも参加報酬の500万コインで専門学校に行って技術者階級になるというのなら、結婚してもいいかな。
「そういう条件的なことじゃなくて」
条件はちょっと置いておいてもジェイミィならいいわ。結婚しても。なんかジェイミィといると気を使わなくていいというかラクだし。
その程度か。
「僕はリザリィが好きだよ」って言ってしまった。
え、ジェイミィはアウラのことが好きなんじゃないの?しょっちゅうアウラのことを見てるじゃない。
あ、バレてた。アウラのことは気にしないようにしてたんだけど。
私と最初にペアになったときだって、未練ありありでアウラを見てたじゃない。
「それは、えっと、初めて独りで学校に行く妹を見送る兄のような気持ちだったんだ」思いつきでそう言ったけど、多分それは本当の気持ちだ。
僕はエリナが好きで、エリナと結婚したいからここに来たんだけど、アウラのことも大切に思っていて、リザリィのことも好きだなんて。
僕は気が多いのだろうか?
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