第39話 反撃
死の深淵から甦った岸川は山崎を疑ったことを詫びた。
「まさかあんな展開になるとは思いませんでしたよ。現場から逃げ出したことは許してください」
「許すも何も君が来てくれなければ俺は殺されていた。心から感謝するよ」
「危険な連中だと分かったんですから、手を引いた方がいいですよ」
「俺はもう一連の事件に関わりすぎて、逃げ出すことは出来ない。もう前に進むしかこの窮地を脱することは出来ないんだ」山崎は岸川の首についたロープの跡を見ていた。
「ひどい跡が残ってますよ。痛みますか」岸川は首に触った指先に血がついていることに気がついた。一時的に血流が止まったことの影響からか、指先の感覚が無かった。
「これからどうするんですか」「これまでとは違うやり方でやる。協力してもらえるか」「乗りかかった船ですから、お供しますよ」
岸川は山崎に実行する計画を話した。それは危険な賭けだった。
「岸川さん、本当に刑事なんですか。犯罪者よりも怖いですよ」
「一度死んだ身だ。こんな目に合わせた連中を許すわけにいかない」山崎は自分がのっぴきならない状況に追い込まれたことを知った。
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