第5話 拝啓、この世界へ

拝啓、この世界様。

 私はあなたが嫌いです。空間が嫌いです。車の音が嫌いです。張り詰めた空気が嫌いです。私が行くところはどこへ行っても張り詰めた空気になってしまうものですから。でも私は花は好きです。花の名前はよく知りませんが、花を見ると心が少し楽になるのです。カラフルな絵も好きです。私は絵はうまくありませんが、ミレーという人が描いた農夫たちの絵は、カラフルではありませんがとても好きです。絵の中の農夫たちが、日々の生活を願って祈りを捧げていたり、農作業していたりする様を観ると憧れにも似た感情を抱くのです。彼らは神に祈っているのかもしれませんが、私にとって神とは彼らのことです。大地とともに生きる、地球とともに生きる、地上の神。西洋では神は空にいるのかもしれませんが、日本には至るところにいるのです。

 話は変わりますが、私の今の精神状態をなんとかしていただけないでしょうか。(やっぱりそこかい!)自転車に乗るのはいいのですが人とすれ違う時、かなり緊張します。こっちは左側通行を守っているというのに、本当に俗世の人間というのはしょうがないですね。(おまえに言われたくないというのはわかっています)

 先日、数少ない友人が健康診断のレントゲンで、肺に異常な影があると言われたそうです。しかし、彼は再検査には行きたくないそうです。めんどくさいから。というか、死ぬならいつ死んでも言いと言っているような人間です。正直なところ、私もそのような人間です。彼の意見に同意してしまいました。いいことなんてまるでないこの世界。電源ボタンをオフにするなら別に今だってかまわない。(しかしそう簡単にオフにならないのがこの世界のまた陰湿なところでもあるのですが)

 命は大切。でもなんで命って大切なのでしょう。

 命の対義語ってなんでしょう。金?戦争?切腹?

 いや、とくに意味はありませんが。

 でも、お金は大切。その大切なお金を、今自分は親に使わせている。ごくつぶし。親不孝。最近親からの目線が冷ややかであるようなきがしてなりません。(特に父親)

 私が大学の卒論で題材にした「グレート・ギャツビー」という本は、好きな子と付き合うために金持ちになったのに、そのさらに上の金持ちに好きな子はすでにぶんどられていたという話です。その序文が好きです。


 金色帽子をかぶるんだ

 それであの子がなびくなら

 

 なんて素敵なの あたしの(以下略)

 私はあんたのもの!


切ねえ。

私は過去にバンドでギターを弾いていました。私の場合はこうです。


 金色ギターを鳴らすんだ

 それで世界がなびくなら


結局私のギターは金色でもなければライブハウスひとつなびかせることかなわず、さらにはバンド仲間に多大な迷惑をかけて終局した顛末となったわけですが。

うん、これはもうあれですね。

私死んだほうがいいですね。生きてると他人に迷惑かけるから。

でも、死ねない、怖くて。首吊りとかむりだし、飛び降りとかもっとむり。

お風呂で水死とか東大合格より難しいんじゃないかとか言ったら東大生に失礼ですね。

関係ないですけれど、私の日ごろの悩みを聞いてください。

まず、ショッピングモールに行くと、マイルドヤンキーが怖い。普通の人も怖い。こっちは身をかわすようにして歩きます。情けないったらありゃしない。そして、勝手にプライドもズタボロですよ奥さん。服屋で選んでるときも、他の客、さらには店員さんにまで迷惑かかってないか気にして常におずおずしながら買い物しています。あまり服なんて買いませんが。

 私にとって、普通の人ができることが苦痛なのです。今日も一日中寝たきりじゃいけない、何かしなければ、と体を奮い立たせてサイクリング行ってプチ登山のようなことをしてきたのですが、母親はそれを聞いて「気持ちよかったでしょうね」と。

 は?と。いや確かに普通の人なら休日の過ごし方の一つだけど、俺にとっちゃ試練なわけですよ。家にいたら完璧に引きこもりなわけですよ。自律神経がおかしいのか、副交感神経がうまく作用してないのか、青空の下で山登りしても全然気持ちよくならないわけですよ。足かせつけながら山登りいってきた人に「気持ちよかったでしょうね」というやつはいないでしょうに。

 薬?飲んでますとも。でも聞いてる感じが全然しません。効く人には高揚感が出るという話ですが、(そのかわり副作用もでるようですが、眠くなるとか)ちょっとうらやましいです。(働いてねーおめーのほうがうらやましいよ!という意見ももちろんあり)

 日中、郵便屋さんのバイクの音が異常に気になりだすとこれ末期症状ですよ。


 こんな私でも、去年の2月あたりまでイギリスにいました。2年間くらいいました。あちらでは学校や病院はすべて無料。精神医療も無料。定期的にカウンセラーのかたが家に来てくれるという好待遇です。ただ、すべて英語!自分の思いを伝えられえないもどかしさ、はがゆさで嫌になったことはなんどもありました。そしてついに、イギリス人の妻から別れを切り出されてしまう!(離婚ではなく別居。あなたは日本に帰って両親に面倒みてもらってといわれました)

 私、これでも本気でイギリスに骨を埋める覚悟でしたし、友人作りもはじめてましたし、(いまイギリスで若い世代を中心に、日本の漫画・アニメが非常に人気があり、それをエサ(?)に友人関係を作る手段にしていました)向こうのオープンな慣習も気に入り始めていたのに。。(向こうでは街の図書館などで様々なミーティングがあり、そこであんまり知らない人にも悩み相談など普通にやってました)そして、息子との別れ!(一人、10歳、趣味:レゴ、プラモデル作り)

インターネットが普及した現代では、スカイプというそれはそれは便利なものがあって、お互いの顔は見れますが、実際に会えないのはやはりさみしい。夢の中にも何度も出てくる嫁と息子。たまに浮気してる嫁。(夢のなかでですよ!現実では…どうでしょう(笑;))枕を涙で濡らす日々。こういうのを自己憐憫といいます。

 さて、日本に帰ってきた後、まず私はマイホームを売りました。嫁が高給取りだったので、買えたのですが、イギリスに家を買いたいから売ってくれとのことで、家の売却を私と母の二人で行いました。そうすると出てくるいらない荷物の山、山、山。こちらの独断と偏見により、だいたいのものは処分させていただきました。ここで少し疑問に持たれたかたもいらっしゃるでしょう。精神病なのによく家の売却とかできるな、と。私の調子は波があるのです。最近ではだいたい半年周期で。去年の春ごろは比較的調子は良かったのです。(ちなみに九月ごろにまた悪くなりました。現在3月末なので、もう調子が上がり始めてもおかしくない時期なのですが)あと、調子が上がり始める際にはだいたいきっかけがあって、イギリスで調子が上がり始める際には、ボクササイズを始めた、話せる友人ができた。などのトリガーがありました。

 また全然話は違うんですけれども、最近体重が80キロ近くまでいってしまいました。(身長は170センチ。2年前は65キロでした)久しぶりにあった祖母から豚呼ばわりされました。どうにかならないでしょうか?(Yahoo知恵袋風)

ベストアンサー:あなたは実際豚なので、どうにもなりません。おばあさんが正しいです。


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