　最初にご注意を。この『うたかた詩集。』を読む際は、必ず横組みでお願いいたします。文の構成に遊び心が織り込まれていますので。

　筆者が「誰かの想いを切り取った」と表現するように、全体的に切ない心情を綴った詩集になっています。

　特筆すべきは、詩全体、連の構成などに視覚的工夫がされてあったり、隠された一文を組み込んでいたりと、大変凝った詩作をしている点です。

　言葉を読むことだけではなく、視覚でも捉えることができる詩は、理解しやすく親しみが持て、ハッとさせられる斬新さもあります。

　巻末には試行錯誤の過程も掲載されてあり、詩作に対する思いを垣間見ることができます。

　これから詩を書いてみたいと思う人に、参考になると思います。

　見せて魅せる、美しい詩作を味わえる詩集です。

『うたかた詩集。』／泡沫希生　著

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