スサノオの娘と外つ国の神種

押見五六三

序文

 別世べつよ中程なかほどから恐れかしこまって申し上げます。


 確かに歴史の神はこれまでに八百あまたの賢人をお産みなされました。


 れど今日こんにち程度の科学では、今と昔をつむぐ事はできず、伝えたしヒメの御活躍を知らすすべが御座いません。


 れにて、この場をお借り致したいと存じます。


 かのヒメは剣や弓矢を持たず、ぬの一枚で闘っておられました。

 それはかくも勇ましく、お美しかったです。


 民に忌み嫌われながらも、民の事を常に考えておられました。

 何と健気けなげでお優しいことでしょう。


 そのヒメの名は『スセリ』

 あのスサノオの娘でございます…

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