君と僕との交差点

個性

 嗚呼君と出会って何年、年が過ぎただろうか。あの日から君をずっと…。

-朝、ジリジリと鳴り響く目覚まし時計が僕をベッドから引きずり出す。

「うるさいなあ。」

皮肉を言いつつ。目覚まし時計を止める。

あくびをしつつ、ゆっくりと部屋のドアを開けると

同時に

「まこちゃーん。朝ごはんできたよー。」

と僕を呼ぶ声が聞こえる。

「はいはい。降りまーす」

頭を掻きむしりながら階段を下りていく。

「まこちゃん。まーた夜更かししてたでしょう」

目玉焼きを皿の上に置きながら彼女はそう言った。

「まあな。」冷め切った声で軽くあしらい目玉焼きが置かれた席に座る。

「もう高校生なんだよ。しっかりしてくださいー。」

彼女はニッカっと笑って見せた。

「美香こそ、幼馴染の付き合いだからって毎日朝飯作らなくていいのに」

そうこいつは幼馴染の杉美香。家が近所で母親がいなかった僕に美香のお母さんが

よくご飯を作りに来てくれて、父親同士も仲が良かったため。美香とよく遊ぶようになりそして今に至る。

「いいの。私、まこちゃんの朝ごはん作るの好きなんだ」

美香はこの性格のせいかクラスで少し浮いているのだ。大人しくのんびりとした性格でひっそりと男子の中では人気らしいが女子にはあまり好まれていないらしい。

「まあ、ありがとな」

イチゴソースがかかった食パンににかぶりつきながらそう言った。ん?何だこの違和感。何だこのピリピリとした感覚は。

「あ、あれ?まこちゃん…。イチゴソースとタバスコ間違えっちゃった」

ノーーーーっ。今日も僕の日常は平和だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る