骨皮筋衛門の日常

緋咲 碧

零 嚆矢

某日某所の体育館で、骨皮筋衛門ほねかわすじえもんはパイプ椅子に座っていた。何でって?勿論、入学式の真っ只中だからさ。彼は今パイプ椅子に座って、今春から入学を許可された学校の現生徒会長の話に必死に耳を傾けていた。


...それにしても細い手足だ。もしも力士なんかが軽く掴んだならば、ポキっと聞きごごちの良い(?)音を立てて折れてしまうだろう。

手足だけではない。まな板のように薄っぺらい胸板はる事ながら、ムンクの叫びかっ!と言いたくなるほど痩けた頬にも中々のインパクトを誇っている。


「.....今日から皆さんは、当校の生徒となりました。皆さんの高校生活が、いよいよ始まるのです!私のような容姿端麗な女性のお話を聞いた...オッホン!失敬。校長先生をはじめ、多くの方々に歓迎されたこの入学式をとして、目標に向かって大きく羽ばたけるよう、精進して欲しいと思います。」


生徒会長の話が終わり、入学式は終わりを迎えた。




☆骨皮筋衛門…非常にやせていることを、人名めかしてからかっていう語

嚆矢こうし…物事のはじめ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る