第44話『黙祷』

「会長、俺はあなたの言った正義に関して創建を抱いていました。しかしあなたは悪に落ちた、ここに来て何があったかは分かりませんが、許されないことをしてしまったのです、なのであなたを生かすわけにはいきません、ここでサヨナラです、あなたのことは一生忘れません」


そう言って和矢は目を瞑り聖に黙とうを捧げた。


フ……ザ……ケ……ルナ


そして、目を開けて和矢は


「さよなら、そしてありがとうございます」


そう言ってその場を立ち去ろうとした。


コ……ノ……ワタシガ……負ける……。


アッテ……ハナラナイ

こんなことはあってはならない


(こんなことが本当に許されるはずがない! そんなことは絶対にありえない!)


聖はバラバラになった状態でもそんなことを考えていた。

しかし、意識自体はなく夢を見ているような状態だった。

そのためか

和矢は聖が生きていることに気づくことが出来なかった。


和矢はそうと知らずにその場から歩いて去ろうとしていた。

先ほどのダメージが未だに和矢の精神に食い込んで、身体をもボロボロにしていた。


「ぐうう」


うめき声を上げながら和矢は足を動かした。


(お前は、この私に殺されるべきなんだ)

(殺されなければならない)


聖は憎悪を頭の中で回していた。


体は和矢が知らない間に少しずつ修復し始めた。


(神に言ってよかった、体をバラバラにされても自動的に再生か、修復するように言っておいて…だがこのままだと間に合わない。手だけでも動け)


そう考えてまずは手が自動的に関節部分まで再生した。


 (次は頭の神経さえつながれば……)


そう思い神経を腕にくっつけた。


その時


ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!


(な!! 何だ! この音は! そうだ! ここに来る前に一枚だけ地雷に出来るかを実験で埋めたんだ! だがこの男は踏まなかったから後で自分の体で実験しようと考えていた奴か! あいつそれに!)


と少し興奮しながら


(そしてもし避けられたらダメなときに!!)


と考えて口から拳銃を出した。


(この時のために封印の札を口の中に仕込んでおいた! これを手に持って!)


そう思い手で持った。

そして


(今だ!!)

パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!


そう考えて躊躇わずに拳銃を撃った。


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ビリ

「?」


和矢は音の方を見ると札が足で敗れていた。

その時

ゾクゾクゾク!!


と悪寒が和矢に走った。

そしてその悪寒と共に飛びのいた。

すると

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!


と爆音が響いた。

そして


ドシャア!!


と音と共に和矢の足が爆発で少し抉れた。


「ぐあがああああ!!」


和矢は足を抑えて苦しんだ。

そのまま蹲り


「糞! こんなところに仕掛けを!」


和矢は動けなくなりその場で足を抑えるのに気を取られてしまった。

その時、もし怪我をしなければ


パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!


と音と共に和矢の心臓部に穴が開いた。


「へ?」


何が起こったのか分からない状態で和矢の体は崩れ落ちた。


「があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


和矢は何が起こったのか分からない状態で痛みで苦しんだ。


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「やっと再生だよ。本当に助かったよ、あの仕掛けしといてよかった、しかもうまくいくとは、やはり私は主人公で主人公補正がついてるんじゃないのかな!! ハアアアアハハハハハ!!」


と笑いながら立ち上がった。

そして、和矢の元へと向かった。

和矢は虫の息でその場で


「へー……へー……へー……」


と目に生気を宿していない状態で倒れていた。


「悔しいかね? 私に負けて悔しいか? アハハハハハハハ!! ザマアないね!! 私の勝ちだ! お前は私のチートを考慮していなかった! お前のたった一つの敗因だと思うかね? 違うよ! 私に結局敗北の文字はない! あるのは引き分けか勝利だけだ!」


と見下しながら和矢を笑った。


「ああああ……ああああ……」


何かを言いたそうにしているが聖は残酷にも


「あれ~何が言いたいか分からないな~そうだ、この薬を使ってみようか? これは最近私が作った菌とウイルスの生物兵器だよ、これを使えば入れた人間は別の死に方をするんだ、まあかなり楽しみって感じだね!」


と言って死にかけている和矢の腕に注射をして入れた。


「がだgらがrがrfdgrげあrgrvfがえがえgらがががえrがrが」


和矢は訳の分からない言葉を発しながら

血を吐き

首を掻き毟り血が噴き出て

その場で寝ながら暴れてそのまま落ちた。


「ああ!!!」


と声を上げて聖は和矢の方へと一緒に落ちた。


ドシャア!!

グシャア!!


2人は血をぶちまけながら動かなくなった。

だが数秒後聖は動いて和矢の方を見た。

和矢は全身の毛穴から血が飛び散り


「おーい? 死んだ?」

「……」


喋れなくなった。

聖はそれを見て


「返事がない、ただの屍のようだ」


と言ってその場を立ち去った。

そして、メモ帳を取り出して


「えっと、症状は見て分かったが、これを今度はもっと高度を上げて作っておかないとまた神に耐性を持った人間を送られるかもだな」


と考えてさっき飛び出た和矢の血をビーカーの中に入れて札で封印した。

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