第29話『後悔』
3人は一緒にい歩いていた。
だが、メリアだけが少し落ち込んでいた。
リンは気になり
「どうしたの? メリア? さっきから元気ないけど?」
と聞いた。
するとメリアは
「いや、私が問題を起こした挙句自分の尻を他人に拭いてもらう形になってしまうなんて、私ってどれだけ未熟なんだろうって思ってしまって……」
と悔しさと後悔を出しながら歩いていた。
それを聞いて和矢は
「実践は何回かしたことは?」
と聞いた。
するとメリアは
「いや、まだ一度もないかな……今日はたまたま外に出れたから一緒に出れただけで実践というより模擬選ぐらいかな……あのチンピラより強い父さんと戦ってたのに、私あの時何も出来なかった……私、全然だめだよ……」
と完全に落ち込んでナイーブになっていた。
それを聞いて和矢は
「失敗は誰でもあるよ……それに今回が初めてだとそんなミスもすることもあるよ!」
と励ました。
それを聞いてリンは
「そっそうよ! 今回はたまたま上手くいかなかっただけよ!」
「でっでも! お姫様を普通こんな危険な目に逢わせるのはダメなんだよ! 普通に考えて失敗は許されないよ!」
「いや! 確かに失敗は許されないと思うけど! でも今回は上手く言ったじゃないか! 次に気を付ければいいんじゃ!」
「次がなかったらダメだったんだから!」
と言ってメリアは
「だから! 次はこんなことがないようにする! 絶対にミスも迷惑もかけない!」
とメリアはリンに言った。
「メリア……ありがとう」
「何言ってるの! それが私の仕事なんだから!」
そう言って2人は笑った。
「仲がいいんだね!」
と和矢は微笑ましそうに見ていた。
メリアは
「当たり前よ! 昔からの親友なんだから!」
と言い切った。
そして3人はリンの住んでいるお城に到着した。
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「お帰りリン」
「お帰りなさいませ! 姫!」
そう言って王様とメイドが門の前にいた。
そこにはメリアの父親もいた。
メリアは
「ごめんなさい! 私のせいでリンを危険な目に逢わせてしまいました!」
「!! メリア! それは内緒に!」
「いや! リン姫! その必要もない!」
と王様は険しい表情で言った。
するとメリアの父親は
メリアに近づいた。
そこに和矢が来て。
「あの! 今回のことは彼女も反省しているので怒らないでやってくれませんか!」
と言った。
リンの父親は
「誰かね? 君は?」
と聞いた。
するとメリアは
「この方は私たちが襲われるのを見て助けてくれた方です!」
と言った。
それを聞いて父親は
「ああ、知ってるよ、見ていたからね」
と言った。
「「「!!!」」」
3人はそれを聞いてビクついた。
そして父親は続けて。
「我が愛しい娘メリアよ、実際に町を出て実際のチンピラに絡まれてどうだった? 怖かったか?」
と聞いた。
それを聞いてメリアは
「はい、私自身絶対に勝てるはずの相手でしたのに、なぜか震えてしまい、動きが鈍ってしましました」
と正直に言った。
それを聞いて父親は
「そうか、それでこれからはどうするつもりかね?」
という問いに
「今回は私の責任でもあるのでもう少し謹んで行動したいと思います! そして次喧嘩を売られた際は相手を侮らずにもっと度胸を付けて立ち向かいたいと思います!」
「うん、そうだな、他にも色々言いたいが確かに相手を侮ることはダメだ。それに今回はお前自身のせいでもあるのだからもうちょっとではなくもっと姫に気づかって動くように、お前が姫の友達になって色々と教えたいと思ってるのは知っている、しかしこういうことが起きて姫にもしものことがあればお前と姫は引き離されるだろう、今回は何事もなかったこと、そして正直に話した誠意を見て私が王様にお願いしてお前を護衛から外さないようにお願いした、そしてわがままを聞いてもらっている。王様に感謝を忘れることのないように! そして今後二度とこんなことがないようにするために自分の精神と肉体をより研ぎ澄ませ! いいな!」
「はい!」
そう言ってメリアの護衛を外す話はなくなった。
そして父親は最後に
「君は和矢殿だな、娘の失態を片づけてくれてありがとう」
「いっいえ!! 光栄です!」
すると王様は
「お礼に君にこの城で過ごしてもらっても構わない、出ていく時にも少しお礼をさせて欲しい!」
「そっそんな! お構いなく!」
それを聞いてメリアの父親は
「和矢殿、王様がせっかくお慈悲をくれているのに断るのは失礼だ……ちゃんと受け取ることも義務だと思いなさい」
と注意した。
それを聞いて和矢は
「わっわかりました! ありがとうございます!」
それを聞いて王様は
「君、彼を部屋に案内してあげなさい」
そう言って1人のメイドが
「ではお部屋に案内します、リン姫とメリア様は別の部屋に彼女らが案内しますので」
「「「はい!」」」
そう言って1人と2人は別々の道を行った。
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3人がいなくなった後で
王様は言った。
「やはり親子だな……」
「!! あの時は申し訳ございませんでした!」
メリアの父親は即座に頭を下げて謝った。
それを見て王様は
「何、懐かしく感じただけだ、別に攻めているわけじゃない、だから頭を上げなさい」
「はい」
そう言って父親は頭を上げた。
そして王は
「私たちもあの頃みたいに町を楽しみたいものだな」
「……そうですね、王様、いえ、アレク……」
と2人は懐かしそうにしていた。
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