第24話『苦戦②』

「はああああ!!」


和矢は聖に切りかかった。

聖は余裕そうな表情で躱した。

聖は


「おおっと? 私だって君と同じく神に身体能力を上げられてるんだよ? あまり私を簡単に殺せるとは思わない方が良いのでは?」


と挑発するようなことを言った。

和矢は


「挑発には乗りませんよ、俺はあなたを倒すために前に出ているだけです、あなたは相手の動きを把握して避け続けてどう攻撃するか見極めるタイプであなた自身から先に攻撃することはないでしょう、なので俺から攻撃を仕掛けます、そうしないと戦うことすら出来ずに魔力が無くなって俺の負けです、ならば見切られる前にあなたを倒します!!」

「はいはい、長いセリフ本当にありがとうございます、で、出来るのそんなこと?」


と和矢の言葉に聖は呆れながら聞いた。

すると


「やってみないと分からないですよ、それに体力的にも運動神経的にも俺の方が会長より上ってこと忘れてませんか?」


それを聞いて聖は


(そうか、こいつには私が不老不死で常に100%に力を出すことが分からないのか……全く、こいつほどうかつな人間はいないだろうな~相手の手の内が読めないうちに攻撃を仕掛けるこいつはかなりの脳筋バカだな)


と思いながら余裕が聖には出て来た。


「行きます!!」

「はいはい来い来い」


そう言って面倒臭そうにしながら和矢の相手をした。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


と掛け声をかけながら聖に襲い掛かった。


「ほほう、運動やってたおかげでだいぶ早いじゃないか」


そう言っている間に聖の目の前にいた。

そしてそのまま斬りつけた。

しかし、


「な!!」


聖には避けられていた。


「まあ、そうだな、そんなものが私に喰らうと思わない方が良いね」


と言ってすぐ横にいた。

そして


「ふん!!」

「うぐううう!!」


そのまま聖のパンチが思いっきり和矢の肩に当たった。

ゴキイイ!!


「ぐああああ!!」


鈍い音が響き和矢に激痛が襲った。


(なんだこれ! 何故こんなに! 糞! 腕の関節が外れた!)


そう言って動かなくなった腕を支えた。

そして

ゴキ!


「うう!」

「ほほう、自分ではめれるのか? すごいな」


和矢は外れた腕の関節をはめ込んだ。


「ああ、こういう時のために自分でも出来るようにしていたのさ……」


そう言って汗をかきながら言った。

それを見て聖は


「ふーん、で、体力の方は大丈夫かい? さっきの激痛でかなり消耗したんじゃないの? 体力の自慢をしていたが、地味にこういうのって効くだろう?」


そう言って聖は


「フン!」


と何かを投げつけた。


「!?」


反射的に和矢は避けたが

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!


「ぐああああああああああ!」


突然小さい爆発をした。

その爆風で和矢は少し吹っ飛ばされた。

聖はあるものを取り出した。


「魔石さ、これを少しいじって爆発するように作ってみたんだけど成功して良かったよ、正直一回実験して成功したから放置してたんだけど、ちゃんと起動するみたいだし」


と嬉しそうに聖は言った。

それを聞いて


「なるほど、侮っていたのは俺の方ですか……でも、俺は皆の期待を背負ってるんです、だから! 負けられないんだ!」


そう言って和矢は再び聖を襲い掛かった。

それを見て聖は


「脳筋だな、だから君はバカなんだよ……同じことをしてそのまま負けて死ね」


そう言って聖は再び構えたが


「ブースト!」


そう言っていきなり和矢のスピードが上がった。

ヒュウウウウウウウウウン!!


「何!!」


そして、怯んだ聖を和矢は斬りかかった。

聖は寸前のところで避けた。

が、指が切り落とされた。


「ぐあああ!!」


強烈な手の痛みに聖は斬られた指を抑えた。


「さすがです、会長、すぐさま止血をするとは……」


聖はそのまま自分の白衣の一部を破って斬られた指の手を巻いて、止血した。


「チ、迂闊だった、まさか魔法が使えるとはあのマジックシールドは君のかい?」

「ああ、もう1人も魔法と言うより特殊(スキル)技術が使えるんだけどね、俺は神様に魔法を全て使えるように願ったのさ」

「へえ、だから魔法が使えない我々と問違って魔法が使えるのが、我々は魔法に使う魔力がないからな」


と聖は和矢を観察した。


(ふうう、まさか魔法を使ってくるとは、まあいい、大体どうするかを考えた、どうやら詠唱しないとあいつは使えないらしい、ならば詠唱が終わる前に攻撃すればいいか、よし! 行くぞ!)


そう考えて聖は和矢を襲い掛かった。


「ついに来たか、このまま倒させていただく!」


そう言って聖に剣を構えて


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


と掛け声をかけて聖の方へと飛び込んだ。

そして


「今だ!!」


そう言って剣を振り下ろした。


「よっと!」


聖はさっきのように躱した。


(タイミングはさっきので分かった、そしてこいつの性格上の考え方を調べて良かった、そして)


和矢はそのまま剣を振り落したが

聖はそこにはいなかった。


「また、さっきより早くブースとをかけて襲ったのに」

「読めるって言ったろう? さっきのは早かったが二回連続だと面白みがないな?」

「く!」


そう言って和矢はニヤッとして


「サンダー!!」


と呪文を唱えて聖に電気魔法を当てた。

ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!


「ぐうううう!!」


聖の体全身に激痛が走るが


「こんな程度かい? 次はこっちでいいのかな?」

「!! ドっどうして!」


聖には効いていなかった。

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