第22話『バレた』

「何なのこれ……」


メリアは唖然とした、

リンの自慢の槍が溶かされている事に

リンは急いで引っ込めようとしてもビクともしなかった。


「!! リン! すぐに離して!」

「でも! これはお母様から貰った大切な槍で!!」


リンは泣きながら取り返そうと必死になっていた。

メリアはそれを聞いて


「わかった! 私も手伝う!」


と言って一緒に取り返そうとした

だが全く取り返せなかった。

見る見るうちに槍は溶けていき

刃は完全に溶けてしまった。

それを見てリンは


「ごめん、我儘言って……もういいよ……」

「!! でっでも! これは!」

「いいの! ごめん……手伝って貰ったのに……」


泣きながらリンは槍から手を離した。


「……わかった」


と言ってメリアも槍から手を離した。


「アギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ」


猛はニヤニヤと笑いながら


(やったぞ! 取り敢えず槍を液状化出来た!!

まさか触れただけで液状化する能力で槍の刃を掴んでも大丈夫なんて!! なかなかに素晴らしい能力ではないか!)


そう思い猛はニヤニヤしながら相手の方を見た


「!!」


見てみると相手の女の人が泣きながらこっちを見ていた。

もう一人の女の子は睨みながらこっちを見ている。

そして


「糞! あいつ! 大切な槍を壊してニヤニヤと!!」


メリアは憤怒しながら構えた。

猛は


(あれ? なんかマズった? スッゲー怒らせた? 何かよりマズイ状況になった?)


とビビりながら猛も構えた。

すると長谷川は


「気にする事ないぞ! 取り敢えず殺れ!」


と言った。

長谷川の方を見ると町の人の死体で山積みになっていた。

後5人になっていた。


「糞!! 何て強さだ! 殺される!」


そう言って動けなくなっていた。

長谷川は


「こっちは後少しだ!」

「怖えよ!!」

「「え?」」

「あ」


猛は狂ってない事がバレた。

2人は猛を睨めつけて


「アンタ!! 狂ったふりして! サイッテー」

「どうして……正気でこんな事するなんて許せない……」


と2人の怒りを高めてしまった。


「何か色々とヤバイ気がして来た」


するとリンが


「アクアジェット!!」


と呪文を唱えて手から水が勢い良く出た。


「!! っぶね!!」


猛はかなり驚きながらギリギリ避けた。

避けて、当たらなかった水はそのまま壁にあたり


ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!


と壁が砕けた。

それを見て猛は


「……マジかよ」


と驚いた。

だが


「まっまあ、大丈夫だろ……何とか……」


すると


「ええいやあああああ!」


とビビって怯んでいた猛にメリアは殴り掛かった。


「! フウウ!」


避けたパンチも水と同様に壁を砕いた。


「ええ、うそ、ええ」


猛はもしかしてチームワークでやられるのではという恐怖が頭によぎった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「まあまあ、何とかやってるじゃないか……」


と聖は双眼鏡で観察していた。

すると


「見つけたぞ! ここまでだ!!」


と後ろから声がした。

聖は笑いながら


「いやあ、来るのは分かってたからなあ、待ちかねたよ、そしてお前を殺すよ」


と言ってた振り返った。

すると男は信じられないものを見るような顔をしていた。


「凛格……会長……」

「? 誰だ君?」


和矢は覚えていたが聖は覚えていなかった。

だがい今の和矢は覚えてるには関係なかった。


「どうして……こんな事を……」


と和矢は聞いた。

すると聖は


「まあこの国があると私が困るからね……今のうちに潰そうかと」


と理由がめちゃくちゃだった。

それを聞いて和矢は


「どうして……凛格会長は誇りが高くて、正義感があって、困ってる人を見捨てららなくてそして優しくて面倒見が良くて、風格があって、苦しんでる生徒を助けてあげるような素晴らしい人だったじゃないですか!」


それを聞いて聖は


「いや、それ内申点のためなんだが、ってどうしたの?」

「内申点……でもそれじゃ……猫被ってたって事ですか……」

「いや、普通人間皆んな自分の内側の心ねんて隠すでしょ……」


と呆れながら聖は言った。

和矢は


「そうですか……分かりました。会長……俺もかくごを決めました。神から貰った能力と鍛え上げたこの力を使ってあなたを倒します!」


と剣を構えた。

聖は


「まあ勝てるかな?」


と笑いながら手を伸ばし指で和矢を誘った。

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