第15話『パンデミック』
『これより! 斉藤 和義の死刑執行をします! 皆様有意義なお時間をお過ごしください!』
「何と人間の死ぬ瞬間が見れるか! ハッハッハ! これは楽しみだ! なあ!」
とアナウンスの声に肥った男はもう一人の女に言った。
「ええ、そうね! あなた! どうせ死ぬのは下品で下等な死刑囚! 悶え苦しむさまを見てもなんとも思わないわ!」
「お母さん! ゴミが処理されるのはいつなの!」
と先ほど話していた女に小さな男の子が聞いた。
「もうすぐよ! ゴミ人間が処理される様はとても面白いわよ! レイルースも見れば分かるわ!」
と母親は子供に言った。
子どもは目を輝かせながら
「まだかなーまだかなー」
と待っていた。
そして、その家族以外にもたくさんの気品ある人間がたくさんいた。
先ほどのように子供連れの親子もいれば1人のご老人もいた。
「市民たちはあんなきったならしい席か、大変だな」
「まあまあ、あのみすぼらしい格好には似合ってるな」
「「「プププププ」」」
と皆が笑った。
一方一般席では
「斉藤!! さっさと死ねえええええええええええ! 苦しんで死ねええエエエエエエエエエエエエエエ! 俺の彼女の敵だああああああああああああああ!! お前は彼女が目障りだからただ殴っただけなのによくもなぐり殺してくれたなあああああああああああああああ!!」
「お前は娘の敵だあああああああああああああああああああああ!! 生まれてきたことを後悔しろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「そうよ! あんたみたいな人間存在したこと自体が間違いなのよ!! あんたみたいな人間は生まれてくるべきじゃないのよ!!」
と斉藤に殺されてしまった娘の家族と彼氏が斉藤に罵詈雑言を浴びせていた。
そこにいた一般の人たちも
「えっと、良くわからんけど、俺たちのためにきったならしい最期を見せろおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「やんややんや!」
「坊や、あれが負け組よ、覚えておきなさい」
「うんママ! あんな物みたいな最期を迎えるそこらのゴミいかな人間の荒れみたいにはならないよ」
と言って笑顔で子どもは母親を安心させた。
母親は
「よしよし、いい子ね」
と褒めた。
その光景を見ていた斉藤は
「ほんっとうに狂ってんだな、この国は……」
と呆れかえっていた。
ちなみに、斉藤は殴ってきた女に対して一発しか殴っていなくてそれも叩く程度であった。
だが、斉藤自身も俺Tueeの状態で殴ったため、女の顔面がそのまま首に飲み込まれるように潰れたのである。
だが斉藤は
(まあ、こっちには奥の手があるけどね……)
と普通の顔で思っていた。
そしてついに、
「皆様! 大変長らくお待たせしました! これより! 斉藤 和義死刑囚の死刑執行を始めたいと思います! 会場の皆様! 大きな拍手を!!」
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そして、そこのに看守が現れた。
「やあ、俺が務めるよ、ゴミ」
「ああ、看守さん、お世話になりました」
「お前みたいなゴミにそんなこと言われるのはさすがにプライドが傷つくよ!」
バキイイ!!
そのまま斉藤は殴られた。
斉藤は顔を腫らしながら黙った。
「ふん! 助けなんて来ないぜ!」
そう言って看守は注射器を取り出した。
「お前も知っている通りこの薬を致死量は入れない、苦しんでもらうだけの量を入れるから安心しな、ゴミ、お前はもうちょっと楽しませて金を払わせるんからな」
そう言って看守は斉藤に薬を
プス
打ち込んだ。
そして、そのまま斉藤の体に入れた。
が
「……?? どういうことだ?」
斉藤には一切の異常が見られなかった。
時間を見あや余ったと思い看守は再び時間を置いたが何も変わらなかった。
看守はもう一度薬を打ち込んだが全く変わりわなかった。
それにイライラしてか
「おい! 看守! 何やってるんだ!」
「そうよ! そのゴミがむごたらしく死ぬシーンを早く見せてよ!」
「そうだそうだ!!」
とビップ席からブーイングの声
そして
「早く苦しめてくれ! あの屑に苦しみをさっさと与えろ!!」
「そうだそうだ! 何やってんだよ! 看守! それともお前も苦しむか!!」
「アンタがその薬打ってその屑と一緒に死ねばいいのよ!」
と看守にとばっちりが来た。
それを聞いてビップたちは
「ふむ、それも面白い、愚民共もなかなか面白いこと言うじゃないか」
「そうね、あんたも打ちなさい」
と看守まで死なないといけない雰囲気になってきた。
それを聞いて看守は
「いっ嫌だ! そんなの嫌だ!! 俺は死にたくないし苦しみたくもない! おい! 斉藤! 何故効かない! 何で苦しまないんだ!」
「何故って君ね、それは……」
プシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!
何かが噴出
それは一気に霧のように辺りを包み込んだ。
「ナッ何なんだ! これううはああhふあああああああああああああああああああああああああ!!」
看守は事態を呑みこめない状態で体の内側から溶け始めた。
「来たか……」
斉藤は待ち望んだぞとばかりに笑顔になった。
「ほほう、看守もなかなか無様なしにかたをしてwっうぇわあえああえあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「ドっどうしたのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ビップ席にも霧が飛んできてビップたちも解け始めた。
それを見ていた人たちは
「なっ何なんだ! これは! こっちにまで来て! にげにげるんだ!!V あふぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「「「「「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」」」
それを見ていたビップたちは泣き叫びながら逃げ始めた。
一般席も
「なっこれは! みんなにげろおあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
逃げろと叫んだ男は突然溶けた。
「「「「「!!」」」」」」
そこには肌色の何かがありそこから突然さっきの霧が噴出した。
「ああ……あああ」
戸惑っているうちに当たりを霧が囲んで逃げ場が無くなっていた。
「そんな、そんな……いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
「助けてええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
「いやいやいや死にたくないいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
「誰か助けてくれえええええエエエエエエエエエエエエエエ!!」
とそんな悲鳴が会場を包んだ。
斉藤はそれを
「ほほう、お前らが望んでたのはこれか、ふむ、なかなかどうして悪くない」
と笑顔で人の死に様を見ていた。
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