秋葉原と歩行者天国と着ぐるみ少女
如りん
第1話 僕の一目ぼれ
一目ぼれだった。
ここは秋葉原という街で、日曜になるとバリケードが張られ、歩行者天国となる。
この歩行者天国が好きで、車を気にせずに切り取れそうな青空を見上げて歩く心地よさがたまらない。
あるそんな日曜日、道路の向こうに猫の着ぐるみを着て、チラシを配る少女に目が行った。
秋葉原だから、という言葉では片づけてはいけない気もするが、少し異質な雰囲気に誰もチラシを受け取ろうとはしない。
この街はすぐに新たな店が現れるため特に気に留めることもなかったが、たぶん猫カフェか着ぐるみカフェがあって、そのチラシなのだろう。
だけど僕は、なぜかその少女から目が離せなかった。
感じたことのなかった感覚が自分の背中を通りすぎ、その少女の一挙一動が気になってしまった。
今日も秋葉原は晴天で、行く当てもない散歩のつもりだったから、
この一目ぼれの理由を、道路ごしに彼女を見ながら探すことにした。
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