第8話 憧れの存在
ここは渋谷高校の鉄道研究会の部屋。
「西村京太郎郎先生には憧れるな。」
鉄道子(くろがねみちこ)は鉄道ミステリー推理作家の西村京太郎郎に憧れていた。
「もう頭が痛いわ!?」
「ダメ!? トリックとか、アリバイとか、何時に電車が着いてとか、ドキ子考えられない!?」
「私は本が大好きだから、大丈夫だよ。」
栞とドキ子に読書の習慣はない。谷子は本であれば、時刻表も大好物である。
「そろそろ全国鉄道選手権の予選が始まる頃ね。みんな、気合を入れるのよ。」
「おお!」
盛り上がりを見せる鉄道研究会の面々。
「募集要項に、1つの高校から出場できるのは、1チームだけってあるわよ。」
「私たちよりも鉄道が大好きな人はいないでしょう。」
「私、全国鉄道選手権に出場したい!」
「毎度お馴染みのこの展開、嫌な予感しかしないんだけど。」
谷子の嫌な予感は結構、当たる。
「頼もう!」
その時、鉄道研究会の部屋の扉が開いた。
「道場破りならぬ! 鉄道研究会破りだ!」
そこに渋谷高校の生徒たちが現れる。
「抜け駆けは許さないぞ! 栞!」
魔法少女の泪。
「列車の旅に私の優雅な朝食シーンが必要でしょう?」
同じく魔法少女の結。
「ゲーム担当は私だろうが!」
昔の作品から、ゲーム世界に行ってスキルを手に入れたら、現実世界で使用可能な、あんこ大好きの川田マオ。ちなみにダメージもゲームの異世界から現実世界に引き継ぐので入院が多い。
「zzz。」
「祐名はんは、いつもどおり寝ています。」
アーケードゲームからのリアルゲームになったSFジャパロボの大会を2連覇した自衛隊女子高生ジャパロボのパイロット。ちなみにジャパロボは車に手足をつけた程度の人型ロボットである。関西弁はジャパロボのAIロボットの明治天皇である。
「なぜに高校の代表チームを決めるだけでフルメンバー!?」
「そうよ! そうよ! 渋谷高校生徒Aでいいじゃない!? かわいいドキ子が目立たない!?」
「鉄道を愛していない、あんたたちに負ける訳にはいかないわ!」
「平和に大好きな本を読んでいたいな。」
谷子の願いは叶わない。
「全国鉄道選手権の渋谷高校代表の座をかけて、私たちと勝負よ!」
「望むところよ! 負けないんだから!」
こうして谷子たちは、魔法少女2人と、ゲーマー2人を相手にすることになった。
「代表者、私と話し合ってルールを決めましょう。」
谷子チームは、鉄道のことなら何でもお任せのブレーンの道子が代表である。
「面倒臭いな。私たちの誰が代表だろう?」
「私はお茶の途中だから無理。」
「私もあんこ食べるのに精一杯や。」
「zzz。」
全員がAIロボットの明治天皇を見る。
「明治天皇、祐名の代わりに行ってこい。」
「何でや!? なんで、わてなんや!?」
祐名は眠り姫として眠り続けているので、おまけのAIロボットの明治天皇の立場は弱い。
「やはり強敵は魔法少女の泪と結の二人ね。私一人だけでは魔法で二人同時攻撃された場合、防ぎきれないかもしれない。」
「大丈夫よ。いざとなったらドキ子が、カワイイ魔法少女ドキ子になってあげる。ドキ。」
ドキ子を魔法少女にしてしまう。新しいアイデアだ。そのうち全員魔法少女にしようと考えそうだ。「魔法少女100ですが、なにか?」ウケそうで怖い。
「魔法少女の二人でも、AIロボットでも、あんこ好きでもない。本当に怖いのは、あの眠り姫よ。あの子を起こしてはいけないんだわ。」
谷子の直感が眠り続けている森田祐名が危険な存在だと感じている。
「ルールの話し合いが決まったわよ。」
道子が谷子たちの元に帰ってきた。
「勝負は、渋谷始発のメトロロの銀座線で対決よ!」
次回、渋谷高校の代表チームの座をかけて激しい戦いが始まる。
つづく。
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