48 浅葉⑪
七月三十日。浅葉は静かな覚悟を胸に、マイカーを走らせていた。
長い間渋り続けていた
受刑中の宇田川との面会がこの時点で叶っていない以上、あとは宇田川の周辺にいる人間の中で信頼できる人物をあたるしかなかった。浅葉の知る限りでは、堀崎はその唯一の可能性だった。
浅葉は警察手帳も通常の装備も署に残したまま、ごく普通のスーツ姿で、名刺だけを持って堀崎のオフィスを目指していた。
じりじりと音のするような今日の日差しが、罪人を追ってあの日からやってきた地獄の使者のように感じられてならなかった。
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