ぼくの学校

園宮 藍輝

Capture One はじまり

#1 いつもの学校

いつもの朝、いつもの部屋、いつも着る制服、いつもの通学路、いつもの学校、いつものHR、いつもの授業、"いつもの日常"が続くと思っていた。


あの時までは.....。




僕の名前は『みやび 唯羅ゆいら

別に勉強ができるわけでも、運動神経が良い訳でも、女子にモテているわけでもないし、友達がいない"ぼっち"という訳でもない。

一般的な"普通"の男子高校生だ。


あの日、僕はいつものように朝を迎え、朝食を食べ、いつもの通学路を歩いていた。

『面倒臭い』と思い、欠伸をして僕の学校の門を遅刻まであと15分という所で通った。


「唯羅、おはよう。いつも思うがHR15分前って遅くないか?」

「いや、あんたが早すぎるだけでしょ。

HR40分前とか早過ぎないかしら?

あ、ゆーくんおはよう。」

教室に入ると2人の友達に話しかけられた。

上から『相良 《あらい》羽琉はる』『原坂はらさか 佐凪さな』だ。

「2人ともおはよう。」

そう答えると、2人は笑顔になった。


それからHRまでは3人で世間話をしていた。昨日のドラマの話、今度3人で見に行く映画の話など本当に世間話をしていた。


そろそろHRだったので、2人はそれぞれの席に戻った。『変わったことは無い』と思っていたが、2人と別れてから20分。一向に先生が来る気配がない。


「...どうしたんだ。」とみんなが騒ぎだし、学級委員が呼びに行こうとした時、突然、放送が鳴り響いた。


「キーンコーンカーンコーン…。」と鳴り響いた次の瞬間、機会が鳴り響いた。

「えーえー、これから校内にいる生徒は体育館に集まってください。行きたくない方は、今すぐ学校の校門から出てください。」


『.....なんだ、この放送。』

そう呟いた。

羽琉、佐凪はどうするのだろう。

『....2人はどうするんだ?』

「俺らは体育館に行くぞ。」

「...唯羅はどうする?」

2人が行くのなら....。

『....僕も行くよ。』

「じゃあ、早く行こう!」

「おう!」

『うん....!』







あの時、校門から出ていたら3人とも助かっていたのだろうか?後悔していてもしょうがない。でも、僕は自分のことを一生許せないだろう。ごめんなさい羽琉、佐凪____。









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