ルベスタン現国戦記

神崎カルキ

第1話 6/16

ーーーノーマントン,カシファベルグ郊外


『現在ケーメルニア国との戦争は進んでおり、こちらが優勢との情報です。さて、続いてのニュースです。…』

パチっと音がし、電気ケトルがお湯が沸いた合図を立てる。

男はインスタントコーヒーにお湯を入れ、角砂糖を7つも入れた。


「おい、いま風呂からでた……って、何個いま角砂糖入れてた?」

部屋のドアから、濡れた艶色のある髪をタオルで拭きながら、呆れた声を漏らして男が入ってきた。

「さあ、幾つでしょうねぇ」

「リー…」

リーと呼ばれた男は、ニヤニヤと笑いながらコーヒーを飲んだ。

リーは、漆黒の髪の片方を掻き上げた髪型をしていて、つり上がった目と、いかにも意地悪そうな眉毛が特徴的で、整ったとは言わないが堂々とした面持ちをしている。


「なぁに?アベル?」

リーが名を呼んだ「アベル」は、後ろを刈り上げており、幼子のようにキラキラとした睫毛、左目尻にあるホクロが妖艶なイメージを連想させた顔立ちをしている。

「はぁ…糖分には気をつけろよって話。今日はC-91区に行くからな。」

「C-91区……あぁ、ケールメニアの端っこか。なに?援護?」

「それ以外ないだろ。ただ敵は軍事力を上げてきてるから、一回情報を聞くためにもシエルさんたちのとこに行くよ。」


「はーい。」

二人は家を後にし、本部へ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る