第96話 ついとうのひをまえにの話
やあ、おいらです。
そうですか。
あれから、八年ですか。
うーん。
犠牲者の魂と行方不明の方、被災された方の気持ちの内を、おいらが慮ることなどできないでしょう。いくら、言葉を尽くしても、なけなしの小銭を寄付しても、埋められない心の傷。八年では短すぎますね。だって、あんまり関係のないおいらですら、あの時の恐怖を忘れられないもの。
まあ、去年はぶっ倒れて寝ていたので駄文を書いていないから、一昨年あたりに書いたものの繰り返しですけど、あの日、なんと間が悪いことに、おいらは横浜スタジアムでベイスターズとスワローズのオープン戦を観戦していたのさ。新外国人だった、スワローズのバレンティンがホームランを打ったのをよく覚えていますよ。あと筒香の背番号が8でさ、全然ダメなやつだった。そうそう、オーナー企業はまだTBSという暗黒時代だったね。名前は横浜ベイスターズで素敵だったんだけど。
そしたらさ、突然スタンドが揺れたのよ。最初は「ちょっと大きいな」くらいだったけど、どんどん激しくなてって、照明灯やら遠くのビルディングが揺れてんの。さすがのおいらも恐怖を強く感じたね。そしたら、後ろのおっさんが携帯のテレビ機能で地震速報を観て「震度8だってよー」っておいらの横に座っていた、まだ元が付いていない元妻に言ってるのが聞こえました。地球の最後が来たかと思いました。
あれ? まるっきりおんなじこと書いた記憶があるなあ。途中を端折ります。
運よく、バスで家に帰ったおいらはテレビをつけました。そしたら、仙台空港が津波に侵食されるシーンが映っていました。実をいうと、このシーンがおいらにとって一番、怖いシーンなんです。あとあと、もっと激しい、人が飲み込まれる津波のシーンも観ましたが、仙台空港のシーンが一番心に残っています。理由はわかりません。
おいらが好きな佐々木裕美さん(向こうはおいらを嫌っています。キチガイの時にやらかしたからです。別にわいせつなことをしたのではありませんよ。会いたくて新幹線に乗って、明後日の方向へ行ってしまい、仕方がないから諦めて、福島でお土産を買って帰って来て{なんだか、福島のデパートの人はいい人ばかりだった。昔、行った仙台なんて最低だったよ}、自分で全部食べちゃっただけです。でも、なんかそれがとても怖かったようです。まあそうだな。ストーカー行為っぽいもんな。でも、たどり着けないのがおいらイズム)が東松島市在住で、連絡が取れなくなってとっても心配しました。死んじゃったかと思いました。ネットで情報をかき集めました。そしたら、数日後、津波発生とともに走って高台に逃げた。携帯が海水に沈んでお釈迦になって連絡できなかったというメールがきました。よかったと思いましたが、家は津波にやられてということでした。
※丸括弧の中の括弧って何を使えばいいの? ご存知でしたら教えてください。
明日は追悼の気持ちで、いつも通りダラダラ生きよう。TVは申し訳ないけれど、震災特集だから、いつもよりつまらないので観ないよ。駄文は休もう。小説はネタが浮かんだら書きます。というより、書き出せばネタが浮かんでくる、お筆先状態なんだよな。書き出すと楽しいのだけど、書くまでがかったるい。樋口明雄さんの『K−9』シリーズ、ちょっと読んでんだけど、面白い予感。
これで、おいらのギャグ小説の読者が爆発的に増えれば、死んでもいいのだが。まず、それはないので、生きるんだろうな。ミスチルの『未来』という曲に、生きてる理由なんてない だけど死にたくもない ってのがあるんですけどね、そんな感じで今日をやり過ごしてるのです。
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