第27話 はなしの話

 やあ、おいらです。


 ついに、おいらの滅亡の時がやってきました。

 歯が痛い、歯が痛いとさんざっぱら言っていたではありませんか。それがねえ、片方だけ、急に痛みがやんだんですよ。やったねと思って、舌で、患部を確かめてみたら、とんでもないことが起きていました。なんと、入れ歯を支える歯がなくなっているのです。その横にあった歯もない。おいら、全然、抜けた感覚がないんです。知らない間に抜けちゃったようです。おいらは慌てて、入れ歯を装着してみました。反対側の歯は残っているので、つけられないことはないみたいです。本当はベタつくから嫌なんですけど、ポリグリップをべったり、塗りたくって、強引にくっつけるしかないでしょう。でもね、残っている歯も、実はぐらついたり、痛かったりするんです。いずれは、抜けてしまうでしょう。そうしたら、入れ歯もつけられない。もう、硬いものは食べられません。介護食でも買うか? それとも胃ろうかな?


 さらにですねえ、おいらクマなんですけど、福耳なんです。貧乏だけどさ。そしたら、子供の頃以来、久しぶりに、耳たぶにしもやけができちゃった。なんのために、暖房を使っているのかわからないよ。決して、重症ではないのですが、とても気になる。気がつけば、耳たぶを揉んで、血行をよくしているのですが、しこりが取れません。


 おいら、また厄年なのでしょうか? どうして次から次と問題が起きるんでしょう。

 ミスチルの『HANABI』がおいらは大好きなのですが、あの中に「誰もが皆 問題を抱えている だけど素敵な 明日を願っている」って歌詞があって、おいらはご近所迷惑を顧みずに絶唱しているのですが、おいら以外の人間さまも心に、体に悩みを抱えているのでしょうか? お気楽、極楽、楽しんでいる人間さまだっているんですよね? なんて、不公平な世の中なのでしょう。


 なんだかとっても、生きていることに疲れました。この駄文を書くことも、ついに疲れました。クロスオーバー小説になると言っておきながら、一向にその気配もなく、だいたい、クロスオーバーってなんだ? という状態だったので、仕方ないからネットで調べましたよ。クロスオーバー。うーん、正直、よくわからない。どうも、他の媒体のキャラクターがゲスト出演するという感じなのかな? 昔の映画でいう、スターシステムですかね。そういえば、手塚治虫先生はよく、スターシステムを利用していましたし、おいらが敬愛する、泡坂妻夫先生の小説にも良く見知った名前がちょくちょく出ていました。最近のアニメとか、ゲームのことは全くわかりません。興味もないからね。


 ああ、忘れていた。家賃を振り込まなくては。一月は早いですね。当然二月も三月も早い。あっという間に新天皇の即位ですね。我が組織はちゃんと活動しているのだろうか? 首領のおいらが、こんな悲惨な状況だからなあ。統制が取れていないかも? “王政復古の大号令”作戦は絵に描いた餅ですかね。おいら、お餅は好きなんですけどね。電子レンジでチンして、柔らかくして、砂糖醤油で食べる。これが最高。でも、餅の粘度でさあ、残り少ない上の歯を持っていかれるのが怖くて、今シーズンは食べていないの。口惜しいです。


 どなたか、おいらの代わりに、我が組織を率いてくださいませんかね。目標は阿呆首相の退陣。それだけです。時給は神奈川県の最低賃金を支払います。残業代支払います。


 ちょっと短いんですが、もう寝ないと、あしたの燃えるゴミが出せませんので、失礼しますよ。

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