第25話 ぺこり だいしっぱい 2019の話

 やあ、おいらです。


 なーにぃ、やっちまったな!

 男は黙って土下座。男は黙って土下座。


 ええ、さっき気がついたんですがねえ、21話と24話。タイトルがかぶっているんですよ。両方「具合が悪い」ってね。

 どちらかを修正しようかとも思ったのですが、よく考えれば、おいらはしょっちゅう、具合が悪いわけで。あながち間違ってもいないし、内容は違うからいいかなって思ったわけです。逆にいえば、おいらの場合、具合が良すぎるのも、躁状態の兆しなのでやばいわけですから。ああ、面倒くさい人間だよ、おいらは。

 ええ、ちなみに今日はお水を飲むと吐き気がします。今日もやっぱり具合が悪い。


(唐突に) 

 さあ、行ってみようかー! 

 はーい!


🎶ぺ、ぺ、ぺこりの大失敗 チャンネル回すテレビはもうない 失笑されるのもう慣れた みなさーん 遠慮はいりません🎶


🎶ぺ、ぺ、ぺこりの大失敗 おいらは今日も具合悪い 今日のお題はなんだろな 一人ぼっちで書き上げる🎶


 皆さまはさあ、ザ・ドリフターズというと、年老いたコメディアンのグループ。あるいは志村けんだけが働いているなあとか思っているでしょう? でもねえ、その本質は違うのです。

 ザ・ドリフターズはもともと、桜井輝夫とザ・ドリフターズという名前のバンドだったんです。ミュージックですよ、ミュージック! ただ、リーダーの桜井さんが要するに、お笑いが好きで、曲と曲の間にちょっとしたギャグを入れちゃうので、コミックバンドの要素を持っていたのです。当時のバンドの主戦場はジャズ喫茶みたいなところだったようです。

 そのうち、桜井さんは業界を引退してしまい、いかりや長介がリーダーとなります。その際、いかりやの方針に反対した小野ヤスシなどがグループをやめてしまいます。のちに小野ヤスシはドンキーカルテットを作りますが、先年、亡くなってしまいましたね。

 さて、メンバーが脱退してしまったザ・ドリフターズは、慌てて、メンバーの補充をします。その時に入ったのが、高木ブーと仲本工事です。

 いかりや長介、荒井注、高木ブー、仲本工事、加藤茶。この適当な名前は、当時所属していた渡辺プロの大先輩、クレージーキャッツのハナ肇がつけたものです。メンバーは相当に不満だったようですが、大先輩の命名ですから、文句も言えず、従ったそうです。でも、今だに改名とかしていないのだから、結果としては良かったのではないでしょうか?

 やがて、ドリフはクレージーキャッツ並みの人気が出てきます。映画にもたくさん出ているのですが、現在のTVでは全く放送されませんね。なんとなく思うのですが、日本人はクレージーキャッツは尊敬していますが、ドリフの方はちょっと下に見ているというか、低俗に思っているのではないでしょうか?


 さて、ドリフはクレージーキャッツとの入れ替わりでテレビ番組に出演します。それが、今もTV史に燦然と輝く“お化け番組”『八時だョ!全員集合』です。最盛期には国民の半分が観ていたといわれるこの番組は、いかりやとそのブレーンによって練り込まれた台本をドリフのメンバーが木曜、金曜で頭や体に叩き込み、土曜日の(基本的に)生放送で披露するという過酷なものだったようです。いわゆるアドリブは禁止です。でも、ハプニングはたくさんありました。放送直前に会場が停電になったり、セットが火事になったり、細川たかしがアキレス腱を切ったりね。それに、アシスタントがキャンディーズだったんですよね。ゲストに世界の三船敏郎が出たこともありました。

 転機は荒井注が体力の限界を理由にドリフ脱退を表明したことです。これは子供ながらに、おいらは衝撃を受けました。ドリフ脱退後、芸能界も引退すると言っていた荒井でしたが、ドラマで復帰。森光子と夫婦役なんてやっていました。メンバーは一時期、鼻白んだそうですが、のちに和解して、荒井は時々、『全員集合』にゲストとして出演していました。最期はさあ、ドリフのメンバーらと富士フィルムの年賀状のCMに出た直後に亡くなりましたね。

 荒井の代わりには志村けんが見習いとして入りました。志村けんはドリフのボーヤ、つまりは弟子というか付き人というのかな、そういう立場だったのですが、一度逃げ出して、『マックボンボン』というコンビを組んでいました。しかし、相方に逃げられて、ボーヤに戻ってきていたのです。なので、メンバーの中では、志村ではなく、すわ親治を推す声もあったようです。すわって知っています? 『全員集合』で時々、物陰とか、井戸の中から幽霊みたいな格好で現れて、奇声をあげて走り去っていた人です。すわは結局、ドリフの正式メンバーにはなれず『ドリフ 第六の男』と呼ばれています。今も、再現ドラマとか大河ドラマの端役で見かけます。

 志村は当初は浮いた存在でしたが、『東村山音頭』とか『ヒゲダンス』で台頭していきます。その一方で、高木ブーや仲本工事はその存在価値が薄れてきて、高木などは「一言も喋らない」というのがウリになってしまいました。

 実のところ、おいらのウチではその頃から『全員集合』を観なくなり、フジテレビ系列で始まった萩本欽一の『欽ちゃんのドンとやってみよう!』を観だしていました。こちらは、アドリブ全開で、何が起こるかわからないという、コント55号時代の欽ちゃんを彷彿とさせる番組でした。この後、同時間に『おれたちひょうきん族』が始まり、『全員集合』の落日が見えてくるのです。


 世間的にはドリフは凋落してしまいましたが、おいら的には突然、復権しました。それもミュージックでです。横浜の本屋で働いている時、書籍の倉庫に行ったんです。そうしたら商品管理課のバイトがカセットで音楽を聴いていたんです。それが『ドリフのピンポンパン』。おいらはその素敵なリズムに圧倒されました。で、横浜中のCDショップを見て回ったのですがドリフのCDはありませんでした。がっかりして、電車に乗り、相鉄線の三ツ境駅でおりました。「ああ、ここにもCD屋があるな」とダメもとで行ったら、あったんですよ。それも、二種類! 曲が被っているのに両方買っちゃいました。バンド、ザ・ドリフターズここにあり。もちろんコミックソングですけどね。

 ちなみに、商品管理課のバイトのカセットテープには大木凡人の『それなり音頭』も入っていたんですけど、なぜかダビングしてもらわなかったの。今じゃさあ、YouTubeでも聴けないかもしれない、レアものですよ。惜しいことをしました。そのバイトにはミスチルをダビングしてもらって『君がいた夏』を聴きまくっていたんですけど、最後があまりに高音で、歌えませんでした。


🎶ババンババンバン ハアビバノンノン ババンババンバンバン🎶


🎶笑えたか? 怒ったか? あなたの気持ちはわからない🎶


🎶仕方がない 字数がない 次の回までごきげんよう🎶


 またね。

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