旧世紀
黒楠孝
旧世紀
作:北見悠平
今は昔の物語
あるところに誰かの影があり
昔は今の物語
あったはずの影を追いかける人がある
すべてが一つの連なりで
一つがすべての破片なら
失うことと得ることは
決して同じではないよ
あなたが消えた世界では
何もかもが当たり前に美しく
最初から何もなかったみたいだけど
それは嘘だと知っている僕がいる
雨に唄えば虹は架かるが
空が滲んで見えづらい
ひどく疲れた帰りの道で
一人静かに俯いている
どれだけ寝ても眠いから
いっそ寝ないで暮らそうか
どれだけ起きても眠れないなら
このまま眠り続けて死ぬ
何もかもが変わってゆく時代
何もかもが終わってゆく世界
だから、これは旧世紀の物語
どこにでもあるお伽噺
陽光がただ眩しくて
少し目に沁みたようだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます