元同級生とH
尾形昭
第1話中学同窓会
8月11日、卒業以来初めての同窓会。10年振り。
「駆け落ちしたの」
「そう」
「いつ」
「高校3年のとき」
「なぜ」
「相手の親に反対されたから」
「どこに行ったの」
「金沢」
すごい事をやるもんだ。
でも、ももちゃんはこの話を聞いて、頭の中には、18歳で就職し、会社の男の人に待っていたかのように釣りあげられ、結婚し子供ができた自分の人生は、果たして正しかったのだろうかとの疑問が湧くのであった。
恋愛がしたかった。燃えるような恋がしたかった。心の中に隙間風が吹いた。
そんなとき、同級生だった坂東が訪ねて来た。
「これ、中学の時にひどい事を言ったお詫びと結婚・出産のお祝い」
「へーえ、ありがとう。まあ、どうぞ」
「おじゃまします」
「何飲む、ビール飲む」
「ええっ昼間っから」
「いいじゃん、飲みなよ」
「大瓶なんか、ご主人よく飲むのだね」
「まあね」
「じゃあそろそろ帰るよ」
「駅まで送って行くから、子供を寝かしてくる。ちょっと待ってて」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます