第25話 かくれんぼ
部活帰りに後輩君と流れで一緒に帰ることになった。
「先輩は凄いですよ。次はインターハイですね。先輩の走ってる姿って綺麗ですし頑張って下さいよ」
「ふふ。何よそれ。でも、ありがとう。君も記録はどんどん伸びてるじゃん」
「えー。先輩、知っててくれてたんすね。嬉しいです」
「い いちおう、先輩としては後輩の記録も見ておかないと」
「先輩と競技も違うから、県レベルの俺なんか見てないかと思ってました」
愛想笑いする事しか出来なかったから、話題を変えた。
「それにしても寒いね」
私は息を吐きかけて手を温めた。
後輩君はポッケから手を出そうとしたけど、またポッケに手がかくれた。
後輩君から『もう いい~かい』って聞こえてくるようだった。
私は彼の後ろに温めた手をかくした。
心の中で『もう いい~よ』と呟いた。
意を決したようにポケットから手を出すと私の手をギュっと握ってくれた。
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