銷夏

 銷 夏 雑 詩


 銷夏雑詩

一畝いつほ清陰せいいん 避暑のだい

碧紗へきさ檐鐵えんてつ 炎埃えんあいを絶す

消閑せうかん最も輕羅けいらせん

風竹ふうちく蕭々せうせうとして秋來らんと欲す


※上平声十「灰」の臺・埃・來による押韻、仄起式七言絶句。


【語釈】

銷夏せうか:「消夏」とも。夏の暑さを凌ぐこと。暑さけ。

一畝いつほ:「畝」は中国における伝統的な面積の単位。拙詩では「一程度の広さ」の意。

清陰せいいん:涼しい木蔭。

だい:物を乗せたり、人が上がったりするもの。拙詩では「縁台」の意。

碧紗へきさ碧色みどりいろの薄絹。拙詩では「陽射しを和らげる葉叢はむら」の意。

檐鐵えんてつ:風鈴。

消閑せうかん:暇を潰すこと。退屈しのぎ。

輕羅けいらしゃなどの薄い絹織物で作った単衣ひとえ。うすもの。

風竹ふうちく蕭々せうせう:風に婆娑ゆれうご竹声ちくせいしづかなさま。


※避暑の地にて迎える七十九年目の終戦の日と盂蘭盆うらぼんに寄せて。

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